『らんまん』宮澤エマが頼もしい存在感を発揮　浜辺美波とのコンビは鬼に金棒？

　『らんまん』（NHK総合）で困窮する槙野家に救いの手を差し伸べたのが、寿恵子（浜辺美波）の叔母・みえ（宮澤エマ）だ。

　寿恵子の結婚前、新橋にある料亭「巳佐登」で女将を務めるみえは新政府の役人と懇意にしており、姪の寿恵子のことを想って元薩摩藩士の実業家・高藤雅修（伊礼彼方）と結ばれるように、玉の輿に乗れるようにと世話を焼き、ヤキモキしていた姿が懐かしく思い出される。

　宮澤エマは『おちょやん』（NHK総合）に続き、本作が朝ドラ出演2作目。本作では、歯に衣着せぬ物言いが痛快で、チャキチャキ感が強く覇気があって、潔さや快活さの際立つ憎めない人物を好演している。姉で寿恵子の母・まつ（牧瀬里穂）がたおやかなのに対し、みえのちゃっかりとしているところは頼もしいし、不思議と嫌味がない。

　『おちょやん』で演じた主人公の千代（杉咲花）の継母・栗子は、反対に怠惰で覇気などなく、根なし草のように生きているものの、みえ同様マイペースに自身の意志を貫く人ではあった。幼い千代（毎田暖乃）を邪魔者扱いするようになり、奉公に出すよう仕向けるなど利己的で冷酷に思えるところもあったが、“千代にとっての死別した実の母親”というどうやっても叶わない、超えられない存在に怯えているかのようなところもあった。栗子は年齢を重ねた後に再登場するが、自身の千代への過去の仕打ちを後悔し、女優になってからは匿名で花籠を贈り続けていたことが明かされた。2人が会わない間に栗子の身に徐々に起きた変化も矛盾なく宮澤が演じていた。