『ノキドア』罪悪感が引き起こした最悪な事件 倒理と氷雨の過去にも“贖罪”が関係?

『ノキドア』罪悪感が引き起こした最悪な事件

 自分は大事な人を失ってずっと苦しんでいるのに、張本人の南雲は事故の存在を忘れてのうのうと生きているように見えたのかもしれない。たしかに、イライラする気持ちも分かる。復讐してやりたいと思うのも分かる。でも、そのエネルギーをもう少しプラスの方向に転じることはできなかったのだろうか? もう二度と同じような事故が起きないように、署名を集めるのもいい。作業員たちを守る仕事に就くのもいい。堀田のエネルギーをもっとよりよい世界を作っていくために使えていたら……と考えると苦しくなる。

 それに、堀田は大事な人を亡くして苦しんできた。苦しんでいる人のことも、たくさん見てきた。それなのに、どうして南雲を殺す選択をしてしまったのだろう。もちろん、南雲は最低な人間かもしれない。だけど、彼を殺害することで、その先にある家族や友人、彼を大事に思ってきた人が、自分と同じように苦しむ可能性は考えられなかったのだろうか。

 人が抱える苦しみなんてものは、他人には見えない。実際に、筆者は浦和のことを冷たい人物だと思っていた。事故の被害者の話を聞こうとせず、南雲の立場を守ることしか考えていない。浦和も、事故のことなんて忘れて生きているのだろう、と。でも、浦和はずっと自責の念に駆られていた。だから、堀田の罪に気付きながら、隠蔽しようとした。

 なんだか、今回の贖罪の連鎖は、倒理が密室で殺されかけた“6年前”の事件にリンクする部分があるような気がしてしまう。もしかしたら、氷雨は6年前の事件に罪の意識を感じているのではないだろうか。だから、彼は「倒理に殺されたがっている」のかもしれない。氷雨の倒理に対する異常なほどの執着の原因には、第3話のテーマ“贖罪”が関わっている可能性がある。

■放送情報
『ノッキンオン・ロックドドア』
テレビ朝日系にて、毎週土曜23:00~23:30放送
出演:松村北斗(SixTONES)、西畑大吾(なにわ男子)、石橋静河、畑芽育
原作:青崎有吾『ノッキンオン・ロックドドア』(徳間書店)
脚本:浜田秀哉
監督:堤幸彦ほか
音楽:fox capture plan
主題歌:SixTONES 「CREAK」
ゼネラルプロデューサー:中川慎子(テレビ朝日)
プロデューサー:田中真由子(テレビ朝日)、尾花典子(ジェイ・ストーム)、長澤佳也(オフィスクレッシェンド)、小林麻衣子(テレビ朝日)
制作協力:オフィスクレッシェンド
制作:テレビ朝日、ジェイ・ストーム
©︎テレビ朝日

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