松村北斗×西畑大吾『ノキドア』元ゼミ仲間のいびつな関係 4人はなぜ執着し合っているのか
「穿地は変わらず、君を殺したがってるよ」
「君は相変わらず、倒理に殺されたがってるね」
『ノッキンオン・ロックドドア』(テレビ朝日系)第2話。片無氷雨(西畑大吾)と糸切美影(早乙女太一)の会話を聞いて、「天川ゼミの4人は、なんていびつな関係なんだ」と思った人は多いのではないだろうか。
刑事の穿地決(石橋静河)は、犯罪コンサルタントの美影を殺したがっていて、犯罪を暴く仕事に就いた氷雨は、タッグを組む御殿場倒理(松村北斗)に殺されたがっている。この4人が、それぞれ重すぎる執着のようなものを抱くようになった原因は、“6年前”の事件にあるのだろう。
まだ詳しくは明かされていないが、倒理は6年前に殺害されそうになったのだと思う。不自然に首を隠しているのは、当時の傷を隠すため。そして、おそらくその事件の犯人は捕まっていない。
強い怒りを抱いた時、人はすさまじいエネルギーを発揮する。そのエネルギーをプラスの方向に使うか、マイナスの方向に使うかで、人生は大きく変わってしまう。穿地は、6年前のような事件が二度と起こらないよう犯罪者を捕らえる仕事に就いた。倒理と氷雨は、犯罪を暴く探偵になった。
しかし、美影だけは犯罪を作るという悪の道へと進んでしまった。ただ、そこには彼なりの仲間への愛があるような気がしてならないのだ。感情を持たない美影が、初めて持った仲間への情。その愛をどこにぶつけていいのか分からず、彼の愛はどんどん歪んだ方向へと舵を切ってしまった。