絵になる松村北斗と西畑大吾 『ノキドア』はミステリーファンの期待を裏切らない良作に

松村北斗と西畑大吾が絵になる『ノキドア』

 『ノッキンオン・ロックドドア』(テレビ朝日系/以下『ノキドア』)のオープニング映像を見た時、松村北斗と西畑大吾は“絵になる2人”だなぁと思った。纏う雰囲気はどこか似ているけれど、持っている武器はそれぞれ異なる。まさに、御殿場倒理と片無氷雨を演じるために生まれたタッグだ。

 そんな2人の表情を捉えるのは、『トリック』(テレビ朝日系)や『ケイゾク』(TBS系)、『SPEC~警視庁公安部公安第五課 未詳事件特別対策係事件簿~』(TBS系)などを手掛けてきた鬼才・堤幸彦監督。『ノキドア』も、ミステリーファンの期待を裏切らない良作になっている。

 まず、松村が演じる倒理は、【不可能(HOW)】専門の探偵。密室殺人など不可能犯罪のトリックの解明を得意とする。朝ドラ『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)をはじめとし、数々の作品に出演してきた松村だが、倒理のような“変人”キャラは新境地と言えるだろう。

 これまで松村が演じてきたのは、どちらかというと“影のリーダー”的な役割を担っているキャラクターが多かった。『私立バカレア高校』(日本テレビ系)の浅田哲也が、その最たる例だろう。しかし、本作で彼が演じている倒理は、いわゆるストーリーテラーのような役割を担っている。彼が中心となって物語が動き、周囲が翻弄されていくような。

「人の気持ちがこの世でいちばん不可解だ。だから、俺の担当外。心の謎なんて解かないと俺は決めている」

 そう言い切っている倒理だが、その言葉の裏には“分かりたい”、“分かってほしい”という気持ちが隠されているような気がしてならない。だからこそ、人の気持ちを読み解くのが得意な氷雨と一緒に活動しているのではないだろうか。もしも本当に心を閉ざして、人の気持ちを解くのなんてバカバカしいと思っているとしたら、氷雨とタッグを組もうなんて思わないはずだ。

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