S5も名言のオンパレード 『ザ・ジレンマ』は恋愛リアリティ番組に興味がない人にオススメ

普通の恋リアと違う『ザ・ジレンマ』の面白さ

 アメリカ人の考えることは分からん! 『ザ・ジレンマ:もうガマンできない?!』の本家アメリカ編が衝撃のシーズン5に突入である。「すげぇ性欲の強い男女を島に閉じ込めて、禁欲させたら面白いんじゃないっスかね? そんで賞金も用意するんっスけど、キスしたりセックスしたら、賞金から減額されるんっスよ」……そんなNetflixの社員が芋焼酎をしこたま飲んで思い付いたようなアイデアが、気がつけばNetflixの中でもかなりの人気コンテンツになった。ブラジル編、ラテンアメリカ編、ドイツ編まで製作され、本家はシーズン5である。人間、何でもやってみるものだ。

 そんな『ザ・ジレンマ』だが、ここ日本では私の主観によると、あまり話題にされていない。このままでは日本が“『ザ・ジレンマ』後進国”になってしまうのは火を見るよりも明らかだ。これは由々しき事態である。この国難に対抗すべく、リアルサウンド映画部の粋な計らいで、こうして書かせてもらえることになった。今回はシーズン5を中心に、同作の魅力を語っていきたい。

 まず断言するが、『ザ・ジレンマ』は普通の恋愛リアリティ番組に興味がない人ほどオススメである。というのも、私が恋愛リアリティ番組に興味がないからだ。身も蓋もないことを言うと、恋愛リアリティ番組全般に漂う純愛感が苦手なのである。どれだけ心の交流や、ピュアな感じのBGMを流されても、「でも、ヤりたいんでしょう?」とゲス顔の私が心のどこかから現れる。ゆえに真っすぐに見ることができないのだ。

 その点、『ザ・ジレンマ』は前提が違う。「でも、ヤリたいんでしょう?」という、こちらのヒネた目線に対して、全参加者が胸を張って「はい! ヤリまくりたいです!」と答えてくれるのだ。こんなに清々しいことがあろうか。“Yesと言える国”アメリカの魂の体現者たち、ワシントンの春風のような、性欲に狂おしく忠実な男女しか出てこない。普通の恋愛リアリティ番組にある寸止め感がないゆえに、何の後腐れもなく見ることができる。

 そしてシーズン5である。今回も例によって「セックスしまくる恋愛リアリティ番組ですよ」とウソ勧誘で若者たちを集め、南の島で性行為、自慰行為、キス、その他の性的な接触の一切を禁止したうえで、恋愛をさせるのだが……。シーズン5になった今回も、学校を11回退学になったスイス人や、「常に半裸状態が私のモットー」と言い切る女性など、スゲェやつらが集まっている。まだまだ世界には宝石のような人材が眠っているなと驚愕するばかりだ。

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