『VIVANT』堺雅人の手に汗握る侵入ミッション バルカ編でわかった乃木の行動原理

『VIVANT』堺雅人の侵入ミッション

 というわけで、乃木は自身の潔白を証明するため、またテロ組織の手がかりをつかむために真犯人探しに着手。ここで新キャラクターが登場する。濱田岳演じる警視庁サイバー犯罪対策課の東条だ。一瞬、『マイファミリー』(TBS系)の東堂(濱田岳)を想起したが、今作の東条は誘拐犯ではなく、警察また丸菱商事のセキュリティを一手に引き受けるすご腕のホワイトハッカーだ。東条は、システム改ざんの可能性を示唆。証拠となるデータを入手するため、何重にも防護された丸菱商事のデータセンターに侵入することになった。

 同期の山本(迫田孝也)と連携してサーバールームに侵入した乃木。メインと監視カメラのモニター画像を切り替えながら、警備員に気付かれないように部屋に忍び込む一連の描写にはゲーム的なスリルがあった。それよりも、警備員に正体がバレる寸前、とっさに床下に隠れた乃木の手並みはどう考えても素人ではない。そもそもバレるに決まっているのにスーツに革靴で来て、足音を立てて走るのもわざとらしい。これらは噂される乃木≒別班説を補強する。それはともかく、そうして明らかになった犯人は意外な人物だった。

 ヴィヴァン≒別班、という野崎の考察を推し進めて、本作で別班が重要な役割を果たしている気配が濃くなった第3話。これまでのところ1話で必ずアクションシーンがあり、第3話は侵入ミッションだった。一部で「わかりづらい」「難しい」との声もあるが、説明部分を最小限にとどめて視覚で楽しませる作風は、日本編でも継続しそうだ。一方で事前告知のあった主要キャラクターの松坂桃李が未登場であるなど、楽しみな要素もこれから控えている。今後の展開に期待である。

■放送情報
日曜劇場『VIVANT』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送
出演:堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、竜星涼、迫田孝也、飯沼愛、山中崇、河内大和、馬場徹、Barslkhagva Batbold、Tsaschikher Khatanzorig、Nandin-Erdene Khongorzul、渡辺邦斗、古屋呂敏、内野謙太、富栄ドラム、林原めぐみ(声の出演)、二宮和也、櫻井海音、Martin Starr、Erkhembayar Ganbold、真凛、水谷果穂、井上順、林遣都、高梨臨、林泰文、吉原光夫、内村遥、井上肇、市川猿弥、市川笑三郎、平山祐介、珠城りょう、西山潤、檀れい、濱田岳、坂東彌十郎、橋本さとし、小日向文世、キムラ緑子、松坂桃李、役所広司
プロデューサー:飯田和孝、大形美佑葵、橋爪佳織
原作・演出:福澤克雄
演出:宮崎陽平、加藤亜季子
脚本:八津弘幸、李正美、宮本勇人、山本奈奈
音楽:千住明
製作著作:TBS
©︎TBS

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる