『VIVANT』阿部寛は“変人ハイスペヒーロー”の役が似合う! 持ち味が最大級に光る野崎役

『VIVANT』野崎役は阿部寛の持ち味が光る

 野崎は阿部が演じてきた役の中でも、最もヒーロー的なスペック持ちなのではないだろうか。何でもできて頼れるカッコいいキャラのはずなのに、なぜか胡散臭く変人に見えるところに、彼が演じる意味があるのだと思う。

 そもそも阿部は、ひとくせどころか3クセ、5クセぐらいある“変人”キャラクターを多数演じてきた。もちろん放送中のNHK大河ドラマ『どうする家康』で演じた武田信玄のように、どっしり構える重鎮の役にも説得力を持たせられるし、無口で訥々とした役など、変人とは違う役も多く演じている。

 だが、彼の演じる“変人”キャラは強く印象に残るし、主役の時もそうでなくても、それぞれのキャラクターは最終的にはある種のヒーローだ。

VIVANT

 今の彼の地位を築く礎ともなったドラマ、『TRICK(トリック)』(テレビ朝日系)シリーズの臆病な物理学教授・上田(臆病だけど相棒の山田奈緒子を助けることもある)、偏屈で余計な一言ばかり言っては周囲を鼻白ませる、『結婚できない男』(カンテレ・フジテレビ系)の桑野信介、映画『チーム・バチスタの栄光』シリーズの、マシンガントークのロジカルモンスター・白鳥圭輔、嗅覚が鋭すぎて普段は鼻に栓をし、ここぞという時に鼻栓を外して匂いで事件を解決に導く『スニッファー 嗅覚捜査官』(NHK総合)なんてのもあった。『ドラゴン桜』(TBS系)の桜木建二だって、アレコレ罵倒しながらも、ちゃんと学力の低かった生徒を東大合格へと導いている。

 アクが強めで変人と呼ばれるキャラクターが多いけれど、文句を言いながらも肝心な時には誰かを助けたり事件の真相を見抜くという、意外にヒーロー的な行動をしているのだ。そう言えば極北のヒーロー、『北斗の拳』のケンシロウの声も担当していた。

 大昔の真っ直ぐで熱血なアニメのヒーローでなく、ひねくれたりふざけていたり冷めていたりするヒーローだからこそ、真っ直ぐが気恥ずかしいひねた大人でも抵抗感なく見られるし、彼の発言に共感したり応援したくなったり、心を動かされたりするのだ。そういう意味で彼は、大人視聴者のヒーローだ。

 野崎は、今のところほぼ武器を持たない乃木にとっては、かなり頼れる相棒だ。

 ただ、ずっと乃木を助けてくれる役回りなのかどうかはわからない。物語はまだ序盤で、そのうち7〜8割が逃げることが最優先事項のシーンなので、野崎の役割もまだまだ変化する可能性も大いにある。詳細を伏せられている乃木の過去が明らかになってくれば、そこから別の関係性になる可能性もある。

 願わくば、ラスボスが野崎(=阿部)になってしまう、などの展開ではなく、クライマックスでも野崎の先読み能力が炸裂し、乃木を助けてくれることを願う。

■放送情報
日曜劇場『VIVANT』
TBS系にて、毎週日曜21:00~21:54放送
出演:堺雅人、阿部寛、二階堂ふみ、竜星涼、迫田孝也、飯沼愛、山中崇、河内大和、馬場徹、Barslkhagva Batbold、Tsaschikher Khatanzorig、Nandin-Erdene Khongorzul、渡辺邦斗、古屋呂敏、内野謙太、富栄ドラム、林原めぐみ、櫻井海音、Martin Starr、Erkhembayar Ganbold、真凛、水谷果穂、井上順、林遣都、高梨臨、林泰文、吉原光夫、内村遥、井上肇、市川猿弥、市川笑三郎、平山祐介、珠城りょう、西山潤、檀れい、濱田岳、坂東彌十郎、橋本さとし、小日向文世、キムラ緑子、松坂桃李、役所広司
原作・演出:福澤克雄
プロデューサー:飯田和孝
製作著作:TBS
©︎TBS

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