成海璃子、山谷花純、中田青渚ら 『らんまん』を支える頼もしい女性キャラクターたち 

『らんまん』を支える頼もしい女性キャラ

 また、娘の佳代を演じる田村芽実も素晴らしい。映画やドラマへの出演経験はまだ少ないが、かつてはアイドルとして最前線を走り、音楽劇をはじめとする数多くのステージに立ってきた。メインで展開する物語とは別のところに視聴者の楽しめるポイントを生み出す姿に、エンターテイナーとしての力量を感じずにはいられない。

 そしてもう一人、「東京編」に登場する重要な女性キャラクターがいる。そう、中田青渚が演じる田邊聡子だ。この聡子とは、万太郎とバチバチ状態にある田邊教授(要潤)の妻。番組公式サイト上で中田本人も言及しているように、「内気で控えめな女性」である。物語の主軸部分に絡む機会はいまのところ少ないが、彼女が田邊教授を支えることが結果的に万太郎を、ひいては作品そのものを支えている。田邊教授が本気で万太郎と敵対すれば、物語はバランスを崩してしまうだろう。その支えとなる聡子の存在は大変重要である。演じる中田は今後が楽しみな新進気鋭の若手俳優。ここに挙げた女性キャストの中でも最年少だ。『君が世界のはじまり』(2020年)や『街の上で』(2021年)などでメインの役どころを務め、すでに頭角を現しつつある。多くの人の目に触れるこの朝ドラの現場で、新たな回路が開かれるのではないだろうか。

 さて、ここでは六名の女性キャスト/キャラクターたちを紹介してきた。ドラマはもう放送開始から3カ月が過ぎ、早くも折り返しである。万太郎は素晴らしい才能と好奇心を持っているが、一人では前に進めない。さらに上へと登っていくことはできない。彼の成長と活躍の陰には、頼もしい女性陣の支えがあるのだ。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『らんまん』【全130回(全26週)】
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣、広末涼子、松坂慶子ほか
作:長田育恵
語り:宮﨑あおい
音楽:阿部海太郎
主題歌:あいみょん
制作統括:松川博敬
プロデューサー:板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
演出:渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか
写真提供=NHK

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