『最高の教師』芦田愛菜の“泣きの演技”が視聴者を引き込む 『3年A組』と対照的な作品に?

『最高の教師』芦田愛菜の圧倒的な泣きの演技

 2019年に放送された『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』(日本テレビ系)のプロデューサーと監督が再びタッグを組んだ『最高の教師 1年後、私は生徒に■された』(日本テレビ系)が7月15日にスタートを迎えた。鳳来高等学校3年D組の担任教師である九条里奈(松岡茉優)は、卒業式の日に校舎の吹き抜け廊下から何者かによって突き落とされてしまう。落下しながら自分を押した腕を見た彼女は、それが自分の教え子であると気が付く。そしていつの間にか、4月の始業式の日へとタイムリープしているのである。

 卒業式の3月10日に担任教師が校舎から落下するシーンから始まるというのは、先述の『3年A組』と完全に付合する。とはいえそちらでは、そこから10日前に遡って“何が起きたのか”を見せていくあたりドラマとしての構成のひとつに過ぎなかったわけだが、今回の『最高の教師』ではもうその時点で物語がスタートしている点で、ジャンル自体が大きく異なる。

 1年分の記憶を有したままタイムリープして、自分を突き落とした“30人の容疑者”たちと再び対峙しながら、“起きること”の理由を探り、おそらくはそれに至らない未来を作るために動いていく。もっともそれは、過去を改変してはならないというタイムリープものの鉄則を破ることになるわけだが、あくまでも自分が不慮の死を遂げる未来を変えるための行動ならば納得できよう。つまり1月期の『ブラッシュアップライフ』(日本テレビ系)と同様のルールに則るものというわけだ。

 さて、第1話の時点で当初の時間軸(いわゆる“1周目”)で卒業できなかった2人の生徒に対して九条は手を差し伸べることになる。1人目は、親の借金によって卒業を前に転校するはずだった瓜生(山時聡真)。彼に無心されて九条は50万円を渡すのだが、それをカラオケボックスでの豪遊に使っているところを目撃してしまう。九条の助力は結局意味をなさず、彼は後々学校を去ることになるのだろう。そしてもう1人が、この第1話のキーパーソンであり、おそらく今後のストーリーを左右する重要な生徒になるであろう鵜久森(芦田愛菜)だ。

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