『日曜の夜ぐらいは...』サチ、翔子、若葉が“過去”をやっつける より深まる信頼関係

『日曜の夜ぐらいは...』幸せになる復讐

「やっつけよう、過去」

 バイト先のファミレスでの人員不足問題をカバーするための連勤と、自分たちのカフェ「サンデイズ」の開店準備の2足の草鞋に大忙しのサチ(清野菜名)。しかし、“目的”や“夢”を持ちながら忙しい日々を過ごすのと、ただただ生活のために忙殺されるのでは全く張り合いが違う。街中のカフェやお店を見ると、その一つひとつに自分たちと同じストーリーが宿っているのだと思うとその全てを応援したくなる。自分が存在する意味が感じられ、“ここにいて良い”と思える。いつだって一人ではない思いがして心強い。忙しく皆の集まりに参加できないサチが若葉(生見愛瑠)を書記に任命し、一人ひとりにメッセージを託した『日曜の夜ぐらいは...』(ABCテレビ・テレビ朝日系)第8話。

 メッセージの範囲は、若葉の祖母・富士子(宮本信子)にまで及ぶ。自身のこだわりを詰め込んだ自宅を建てた経験や知識を生かしてカフェ「サンデイズ」の内装を決めていくのに力を貸してほしいと言う。携わる人それぞれにミッションを与え、居場所を与えていくサチ。東京に来てから仕事も見つからず自身の存在意義を見失っていた富士子は、サチが自分を頼ってくれて、必要としてくれることが心の底から嬉しそうだった。書記に任命された若葉も、自身の失われた学校生活、青春時代を取り戻しているかのようだった。誰かに信頼されるって、期待を寄せられるって有難いことだ。

 遺産放棄の件や突然の兄・敬一郎(時任勇気)とのやりとりに落ち込んでいた翔子(岸井ゆきの)の異変にももちろんサチは気づいており「それはいつか話してくれたらいいし、話さなくてもいいんだけど」とした上で「引っ越して来い。あなたは一番言いたいことを言えない子だから、悪いけど私はほっとかない。3人と、皆とあなたは一緒にいた方がいい」と、なんだかんだ気を遣って周囲に甘えるのが下手な彼女に敢えての命令口調で伝える。「いつ振り返っても私もわぶちゃんもいるから。別にずっと3人で一緒とかじゃなくていいし、適度な距離ってあると思うけど、今は私たち3人で一緒にいよ。自分たちにとっていい関係を作ってこう。とにかく来い」と、本当は傷ついているのにすぐに平気な振りをしてふざけてしまう翔子のことを思いっきり自分たちの方に引き寄せた。

 みね(岡山天音)へのメッセージにも彼らの信頼関係が詰まっていた。「大好き。皆あなたが大好きだよ」というサチの第一声に、みねは改めて自分を受け入れられた思いがしたことだろう。そして「あなたにはこうしてほしいとかは言いません。きっと全力でそうしようとしてくれちゃうから。私からのお願いは一つだけ。いなくならないで。私は男とか女とかそういうの超えてあなたと仲間でいられることを誇りに思ってる。みねくんがそこにいて何の違和感もないのって最高って思う」とみねの存在も自分たち4人の関係性も全肯定した。皆で「サンデイズ」の制服になるエプロンを買いに行った際にも、とにかく第一優先事項はみねに似合うかどうかで、男女で色やデザインを変えたりしたくないと翔子も話していた。

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