『王様に捧ぐ薬指』山田涼介演じる東郷の“デレ”が止まらない 結婚契約の延長はアリ?

『王様に捧ぐ薬指』止まらない山田涼介のデレ

 ツンデレを飛び越えて、もはやデレデレ。火曜ドラマ『王様に捧ぐ薬指』(TBS系)のキングこと東郷(山田涼介)の“デレ”が止まらない。これまで回を重ねるごとに、綾華(橋本環奈)に対して想いが募っていく様子が描かれてきたが、折り返し地点となる第5話ではもはやポーカーフェイスで隠しきれないほどに。

 「社長って呼ぶな」そう言い捨てて急いで自分の部屋に駆け込んでいく姿は、第1話からは想像もできないキュートさ。もしかしたら、東郷本人もこれほど自分が変わっていくことなんてちょっと前までは考えもつかなかったのではないだろうか。

 “初恋の人との復縁”というワードを聞いただけでも、綾華と神山(坂東龍汰)のことを思い出して不機嫌モードになってしまう東郷。そして、綾華が神山と出かける先にもこっそりとついていってしまう。2人の仲睦まじい光景を見て「何をしてるんだ……」とでも言いたげに、1人肩を落とす姿もまたほしいままに恋愛をしてきた“キング”というイメージをガラリと覆すもの。

 また、そのガッカリした分、綾華が神山と出かけた理由が自分の誕生日プレゼントを祝うためのものだったとわかったときの喜びたるや。頬が緩んでしまうのを必死に悟られまいとする様子もまた微笑ましい限りだ。

 これまで長い時間を掛けて築き上げてきた自分のペース。それが簡単に乱されてしまうほど、綾華のことで一喜一憂してしまう。そんな東郷のいじらしい恋心に、観ているこちらまでニヤニヤが隠しきれない。

 一方、綾華のほうも東郷への見方が変わっていく。そのきっかけとなったのが、東郷の涙の告白だった。一見すると息子思いで、嫁の綾華にもやさしい完璧な良妻賢母な母・静(松嶋菜々子)。しかし、綾華の実家に大金を貸しつけるなど、何を考えているのかわからない節もあった。

 そして、今回綾華がサプライズで東郷の誕生日を祝うお店にもいきなり姿を現す。これには綾華も驚いたが、それ以上に東郷の様子がおかしい。息が上がり、パニック症状のようにも見えた。なぜそれほどまでに動揺したのか。その理由は、東郷の生まれにあった。

 東郷は静の実子ではなく、父の愛人との間に生まれた子だったという。「愛人の子」として親戚たちから白い目で見られる中、静だけは常に味方でいてくれたのだとも。そんな静のことが大好きだったが、その裏には東郷の実母の死を願う残酷な一面も……。

 その裏の顔を知ってからは、静が東郷の人生をコントロールしようとしているのが透けて見えるようになったのだろう。東郷を愛しているように見せかけて、その実は自分が望むようにレールを敷き、歩ませていく。理解者のように装いながら、誰よりも東郷の人生を縛り付けてきた張本人。だからこそ、東郷は「自分には本当の家族がいない」と孤独を感じていたのだ。どうにかして自分の足で自分の人生を生きたくて、綾華と結婚をした。静の支配から少しでも抜け出したくて。そんな東郷を思わず抱きしめ、綾華も「大丈夫。私がいるから」となだめる。

 お金にも困ったことがない、なんでも持っているように見える東郷。しかし、家族の愛だけは持っていなかった。対して、決して裕福な家ではないけれど、家族の愛には自信を持っている綾華。やはり2人は考えるほどにピタリとハマるパズルのピースのようだ。

 ぐっと近づいたと思われた東郷と綾華の心。しかし、まだまだ自分たちでは名前のつけられない関係性。愛し合いされ、死がふたりを分かつまで添い遂げると約束した本当の夫婦ではない。でも、気づけば誰よりも心強い味方になっていた。家族の問題にも一緒に向き合って、こんなにもお互いを守りたいと思い合っている。

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