宇野維正の興行ランキング一刀両断!
初登場5位でも健闘の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』
実は昨年7月に公開された『ソー:ラブ&サンダー』(今思い出しても、あの作品のガーディアンズの面々の無駄遣いぶりは酷かったが、こうしてシリーズ新作が公開されても意外にそれに対する怨嗟の声が聞こえてこないのが不思議だ)まで、日本以外の国における下降傾向に反して、「同シリーズにおいて新作の最終興収は必ず前作超え」を続けてきた日本におけるMCU作品興行。まあ、それも2018年頃までの作品の興収の低さが大きな要因ではあったが、遂に昨年11月公開の『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』以降はそのジンクスも崩れてしまっていた。
それでいうと、日本での『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』の興行は久々に同シリーズの前作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』の最終興収を超えそうなペース。ちなみに今作の北米でのオープニング成績は1億1841万ドル(約160億円)で前作の約80%という数字。作品の評価自体は概ね好評で、本作をもってDCスタジオの仕事に専念することになったジェームズ・ガン監督は有終の美を飾ったことになる。既に来年公開予定の『ブレイド』の撮影がストップするなど、先週から始まった全米脚本家ストライキの深刻な影響についても報じられているMCU作品。ファンからの信頼が厚かったジェームズ・ガンも去り、MCUの受難(ジェームズ・ガンが去った件に関しては完全に自業自得だが)の日々は当分続きそうだ。
■公開情報
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』
全国公開中
監督:ジェームズ・ガン
製作:ケヴィン・ファイギ
出演:クリス・プラット、ブラッドリー・クーパー、ヴィン・ディーゼル、ゾーイ・サルダナ、カレン・ギラン、デイヴ・バウティスタ、ポム・クレメンティエフほか
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
©Marvel Studios 2023