イ・ドヒョン、“陰と陽”の芝居で視聴者を魅了 『良くも、悪くも、だって母親』までの軌跡

イ・ドヒョンが見せる陰と陽の演技

 Netflixにて4月27日より配信がスタートした『良くも、悪くも、だって母親』。田舎を舞台にした『海街チャチャチャ』(2021年)、『田舎街ダイアリーズ』(2022年)のようなのんびりしたストーリーかと思いきや、親との関係に悩んで育ち、心に大きな傷を抱えている一人の男の物語だ。

 生まれる前に養豚場を営んでいた父(チェ・ヘシク)を亡くし、母(ラ・ミラン)に一人で厳しく育てられたガンホ(イ・ドヒョン)は、幼いころに木づちのおもちゃを選んだため法律家の道に進むレールしか敷かれずに大人になった。やがて無事母が望む検事という職業に就いたが、父を死に追いやった悪徳企業と癒着し、悪の道に足を踏み入れてしまう。しかし、ある日事故に巻き込まれ後遺症を患うことになり、状況が変化していく……。「勝手に決められてしまった運命への復讐」を試みるガンホを演じるイ・ドヒョンは今注目の若手俳優だ。

『良くも、悪くも、だって母親』(JTBC公式サイトより)

 1995年生まれイ・ドヒョンは『刑務所のルールブック』(2017年)で俳優デビュー。まだ28歳にもかかわらず、人気ドラマに多数出演している。

 記憶に新しい作品は『ザ・グローリー~輝かしき復讐~』(2022年)だろう。主人公のムン・ドンウン(ソン・ヘギョ)が過去に自分をいじめた人たちへ復讐していくという物語の中で、父親を殺した犯人へのトラウマと復讐心を宿している医師のチュ・ヨジョンを演じた。ドンウンのために“剣舞を踊る処刑人”になることを決意し、医師としてドンウンの計画を手伝うが、その中で父親を殺した男への気持ちも大きくなっていく。甘いマスクでドンウンにストレートな気持ちを見せつつ、地獄に落されたことへの絶望も体現しており、ある意味「復讐」という面で『良くも、悪くも、だって母親』にもつながりを感じられる。

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