『ザ・グローリー』で深い影の世界に引き込むイ・ドヒョン その演技力に痺れる出演作5選

イ・ドヒョンの演技力に痺れる出演作5選

 想像を絶するいじめにより、人生をかけて準備をした復讐を始める女性を描く『ザ・グローリー 〜輝かしき復讐〜』。Netflixで配信が始まるとすぐに注目を集めた本作、パート2の配信が待ち遠しい方も少なくないはず。本作では爽やかな囲碁好きの青年かと思いきや……一瞬にして時が止まったかのような深い影の世界に視聴者を引き込む実力派俳優が、イ・ドヒョンだ。メスを握るかのように剣舞を踊る彼の行く末から目が離せず、演技力に痺れてしまう。本記事では、そんな魅力溢れるイ・ドヒョンの出演作を紹介していきたい。

『五月の青春』

『五月の青春』(KBS公式サイトより)

 1980年5月に起きた光州民主化運動を背景に、時代の渦に巻き込まれていく医大生と看護師たちを描く。トラウマを抱えて医師になることに戸惑う医大生ファン・ヒテ(イ・ドヒョン)は、ある患者の一言で故郷の光州に一緒に帰省することとなる。一方、光州の病院に務める看護師キム・ミョンヒ(コ・ミンシ)は、留学を夢見て必死に働く日々を送っていた。そんな2人が、刻一刻と迫る5月の半ばにお見合いの代打によって、引き寄せられていく。

 イ・ドヒョンは、立派な家庭で育った婚外子のヒテを演じる。爽やかで眩しい笑顔が印象的で、まっすぐな性格は序盤から視聴者の心臓を鷲掴みにしてくる。劇中で、ヒテとミョンヒが穏やかに笑い合う姿を見る度に、「どうすればこの時間が長く続くだろうか」とふと考えてしまう。再視聴すると、きっと5秒で泣いてしまうというほどに全ての時間が繊細で美しくて儚い本作。脚本家のインタビューで最も印象深いシーンとして紹介されている「振り返れ……」の1シーンは、ずっと心に残り忘れられない。(※)毎年5月になると思い出さずにはいられない一作で、ここから先は是非本編で見届けてほしい。

『18アゲイン』

『18アゲイン』(JTBC公式サイトより)

 離婚を決めた妻の前に、ある日突然18年前の夫の容姿をした男性が現れてしまう物語。男性コ・ウヨン(イ・ドヒョン)の正体は実の夫で、彼の姿だけが過去に戻ってしまうファンタジー要素を含んだ設定だ。ウヨンは、自らの正体を隠しながら我が子と同じ高校に通い、一番近くで子どもや妻を見守りながら日々を過ごしていく。そこで、今まで見えていなかった家族の本音に触れ、改めて絆を深めていく過程はつい涙が溢れてしまう。本作は、家族愛をテーマにした作品で、心温まる数々の名台詞も見逃せない。

 18歳の高校生の姿で、中身は30代の2児の父を演じるのがイ・ドヒョンだ。妻とは離婚間近で、子どもとは心の距離もあり、仕事も上手くいかず八方塞がりな日々を送っていた矢先、18年前の姿に戻ってしまう。“爽やか君”と呼ばれるほどに見とれてしまう姿と、隠しきれない父・夫としての振る舞いという“チグハグさ”が何と言っても見どころの一つ。もう一度妻と惹かれ合っていく姿や、ヤキモチを焼く姿一つ一つにもキュンキュンしてしまう。特に思い出の階段でのキスシーンが印象的で、何度でも観たくなる。本作で、イ・ドヒョンは見事に複数のキャラクターを演じ分け、百想芸術大賞新人演技賞に輝いた。

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