『らんまん』中村蒼が神木隆之介の頼れる友人に 『エール』鉄男を彷彿させる好青年ぶり

『らんまん』中村蒼の好青年ぶり

 東京にやってきた万太郎(神木隆之介)と竹雄(志尊淳)を懐かしい再会が待ち受けていた『らんまん』(NHK総合)第6週。その1人が、万太郎の名教館時代の旧友・広瀬佑一郎(中村蒼)だ。北海道で土木工学を学んだ佑一郎は、今は工部省で鉄道を通す仕事をしており、なんだか洗練された様子ですっかり東京に馴染んでいる。

 中村演じる佑一郎は、嫌味一つない立派な好青年として万太郎の前に現れる。改めて、人懐っこく明け透けな万太郎の周囲には、そんな彼を放ってはおけない頼りになる人が集まるものだと思い知らされた。

 佑一郎役を演じる中村は、『エール』(NHK総合)に続き本作が朝ドラ出演2作目となるが、『エール』でも主人公の脇を固める素敵なキャラクターを演じていたのが思い出される。中村は裕一(窪田正孝)の幼なじみで作詞家の村野鉄男役を演じた。裕一をはじめ歌手の佐藤久志(山崎育三郎)など天才肌に囲まれながらも、素直にその才能を認め羨ましいと言える真っ直ぐな人柄と情の厚さが魅力的だった。本作の佑一郎も再会した万太郎の変わらぬ無邪気さに目を細めながら「わしはおまんの明け透けなとこを好いちゅう」とした上で、東京では気を付けるようにと友人の身を案じていたのが印象的だった。

中村蒼、“推進力”として『エール』で主人公を導く 悲しい幕引きとなった鉄男の恋物語

“福島三羽ガラス”の登場で大いに盛り上がった『エール』(NHK総合)第9週。「東京恋物語」と題された今週は、裕一(窪田正孝)の幼…

 『エール』で演じていた鉄男は、それでいて自分の悩みは胸の内に秘め、自力で解決してしまうようなところがあった。人の懐に飛び込むのが上手い一方、自身の実力や立ち位置などを客観視できるリアリスト。現実的で全体を俯瞰して見ることができる鉄男だからこそ、そんな彼が熱く語る夢はいつまでも少年のような心を持ち続ける裕一ら周囲を勇気付け、彼らの長所を守りそのまま伸ばすことに一役を買っていた。

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