『らんまん』志尊淳、豊かな表情で視聴者の心を鷲掴みに 竹雄として表現する実直さ

『らんまん』志尊淳が視聴者の心を鷲掴みに

 連続テレビ小説『らんまん』(NHK総合)の第5週となる「キツネノカミソリ」が放送された。この週を経て、万太郎(神木隆之介)は植物の研究のため高知を離れ上京することになる。そして竹雄(志尊淳)もまた、万太郎について東京に行くことを決意した。

 第5週の終わりには、改めて竹雄の存在の大きさを目の当たりにする。万太郎がやっていけるのも自分が支えているからと自負する竹雄。だが万太郎が峰屋を出ることで一時はお目付け役をクビになるところだった。自分の行く末を考えた竹雄は、父の市蔵(小松利昌)、綾(佐久間由衣)、タキ(松坂慶子)と話をすることに。そして最後には自分が選ぶべき道を“自分で”決めることになるのであった。

 竹雄を演じるのは志尊淳だ。2011年にミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズンの向日岳人役で俳優デビューを果たした志尊は、『女子的生活』(NHK総合)、朝ドラ『半分、青い。』(NHK総合)、大河ドラマ『青天を衝け』(NHK総合)、ドラマ『ムチャブリ! わたしが社長になるなんて』(日本テレビ系)などに出演し、徐々に知名度をあげてきた。『らんまん』ではお目付け役として万太郎を支える竹雄を熱演し、今や万太郎、綾に並んで『らんまん』をリードする魅力的な存在だ。

 そんな志尊が『らんまん』で見せる芝居の魅力といえば、やはり実直さに尽きるだろう。どれだけ振り回されても心の底から万太郎のことを思い、忠実に尽くし続けるところが竹雄のいいところだ。万太郎とは度々言い合いになるが、言いたいことは口にしても決して万太郎を見捨てない竹雄の頼もしさと懐の深さに我々も救われてきた。

 さらには、どんな理不尽にも耐えられる成熟した心も素晴らしい。綾が幸吉(笠松将)と仲睦まじくしているところを目撃した時や、自分がどんな将来を歩むのかを自分で決めなければならない時も、水をかぶって頭を冷やしたら気持ちをしっかりと切り替えられる。ここは志尊演じる竹雄の男らしい一面が光るシーンでもあり、前を向いて進もうとする力強さにあふれている。特に第5週では、綾にしっかりと自分の気持ちを伝えており、一つひとつの物事と向き合って、真っ直ぐ乗り越えていく姿を演じる志尊に視聴者も心を動かされる。

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