中村蒼、“推進力”として『エール』で主人公を導く 悲しい幕引きとなった鉄男の恋物語

中村蒼、『エール』で主人公を導く

 “福島三羽ガラス”の登場で大いに盛り上がった『エール』(NHK総合)第9週。「東京恋物語」と題された今週は、裕一(窪田正孝)の幼なじみである鉄男(中村蒼)の恋と、音(二階堂ふみ)が音楽学校の記念公演のヒロイン役を掴む上で「男女の機微」を学ぶ必要があったことを表している。裕一にとっては初めてのレコード発売、音にとっては記念公演の最終選考を勝ち抜き無事ヒロイン役を射止めるなど、古山家にとっては大きく歩みを進める姿を描いた週でもあった。

 一方で、印象深い姿を残したが悲しい幕引きとなったのは鉄男の恋物語だろう。裕一と共にレコード発売にこぎつけ、作詞家デビューするものの、自身の恋愛では惨敗。想いを寄せていた希穂子(入山法子)との関係は思うように進まなかった。裕一から “大将”と呼ばれる鉄男は、その名の通り腕っ節が強く、曲がったことが嫌いな少年時代を過ごす。今もその魅力は変わらず、強さと繊細さを持ち合わせたキャラクターだ。

 そんな鉄男を演じるのは中村蒼。第18回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストでグランプリを受賞したことで芸能界デビューする。ドラマ作品では『花ざかりの君たちへ~イケメン☆パラダイス2011』(フジテレビ系)での佐野泉役や『せいせいするほど、愛してる』(TBS系)で宮沢綾役を演じたことで注目を浴びる。『せいせいするほど、愛してる』での中村は自らが思いを寄せるヒロイン(武井咲)を自社に引き抜こうとする敏腕広報マンとしての姿が印象的だった。コンテストでグランプリを受賞するほどのイケメンであり恋愛ものへの出演も多いため、ヒロインと恋仲になる相手役から恋敵まで演じてきた中村だが、本作ではここにきて悲恋の青年として、恋する人への切ない瞳や酒で荒れる姿など様々な姿を見せてくれた。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる