『だが、情熱はある』髙橋海人×戸塚純貴によるオードリーの空気感 森本慎太郎の“役者魂”も

『だが、情熱はある』オードリーのバランス感

 そして、“大学4年生の壁”にぶち当たっているのは、山里(森本慎太郎)も同じだ。第3話はとくに、森本慎太郎の役者魂を感じた回だった。山里亮太も、自身のTwitterで「先に言う、やばいやつがでてくる」と“予告”していたが、NSC(吉本総合芸術学院)在籍中の山里は、モンスター級にやばいやつだった。

 夢に一直線で、必死なのは分かる。だけど、そのせいでまわりがまったく見えていない。コンビなのに、上から目線でダメ出しをしまくって相方を追い詰めるし、売れている同期・ヘッドリミット(おそらくモデルはキングコング)の悪評を流して評判を落としてみたりする。第3話のサブタイトル「ひとの心が見えますか?」は、過去の山里への問いかけなのだろう。

 そんな、嫌なやつの塊のようだった当時の山里を、森本は臆することなく全力で演じていた。本来は、アイドルとして好かれることを生業にしているのにもかかわらず、“好かれたい”願望を封印した姿でカメラの前に立っていたのだ。その男気に、心が打たれた。

 さて、大学を卒業したあとも、漫才の道を突き進むことを決めた若林と山里。「たりないふたり」の解散ライブが行われる2021年をラストだと仮定すると、あと21年分の出来事が描かれることになる。ふたりの“若者”は、いかにして“大人”になったのか? 最後まで情熱を持って見届けたい。

■放送情報
新日曜ドラマ『だが、情熱はある』
日本テレビ系にて、毎週日曜22:30〜放送
出演:髙橋海人(King & Prince)、森本慎太郎(SixTONES)、戸塚純貴、富田望生、三宅弘城、池津祥子、ヒコロヒー、渋谷凪咲(NMB48)、中田青渚、箭内夢菜、森本晋太郎(トンツカタン)、加賀翔(かが屋)、賀屋壮也(かが屋)、藤井隆、坂井真紀、白石加代子、光石研、薬師丸ひろ子
脚本:今井太郎
演出:狩山俊輔、伊藤彰記
プロデューサー:河野英裕、長田宙、阿利極
チーフプロデューサー:石尾純
制作協力:AX-ON
製作著作:日本テレビ
©︎日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/daga-jyounetsu/
公式Twitter:@daga_jyounetsu

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる