『らんまん』浜辺美波が神木隆之介の“ミューズ”に 『エール』二階堂ふみと重なる部分も?

『らんまん』“ミューズ”浜辺美波が登場

 『らんまん』(NHK総合)第3週では、主人公の万太郎(神木隆之介)がのちに人生の伴侶となる寿恵子(浜辺美波)と運命的な出会いを果たす。

 酒屋の当主ながら下戸で生まれつき身体も弱い万太郎。博覧会で断りきれずに飲んだお酒の酔いも手伝ってか、そんな自分を嘲るように万太郎は“自分はカエルだ”と言いながら木の上に登ってしまう。

 木に夢中で話しかける万太郎には誰の声も届かず気持ち良さそうにマイワールドに没入。しかし、そんな彼を急に現実に引き戻したのが寿恵子の「危ないです! 下りてください!」という真っ直ぐで張りのある声だった。他の見物客らはどこか万太郎のことをからかっていたり、変わり者だと見なし呆れているような節があったが、寿恵子の声にはただただ本当に彼のことを心配する気持ちだけが滲んでいた。優しく面倒見が良くて正義感のある女性であることが、あの少しのやり取りだけでも伝わってくる。

 そして、その声を頼りに眼差した先にいた寿恵子の姿形に万太郎は釘付けになる。俗に言う“一目惚れ”というやつだ。

 「理屈じゃないき。一目見ただけでここがぐわっとしたが! 心が震えた」と興奮気味に竹雄(志尊淳)に報告する万太郎を見るに、植物のこと以外で彼がここまで何かに心奪われたのは初めてではないだろうか。

 そんな万太郎にとってのミューズ・寿恵子を演じる浜辺は、芯のある役どころがとにかくよく似合う。浜辺の朝ドラ出演は『まれ』(NHK総合)に続き本作が2作目となるが、彼女が演じると、悲劇のヒロインのようなキャラクターもただかわいそうなだけの存在にはとどまらない。映画『君の膵臓をたべたい』でのヒロインはまさにそんな役柄で、こちらが勝手に泣いてしまうことが憚られるような内に秘めた強さやきらめき、刹那の美しさを存分に見せつけてくれた。

 『私たちはどうかしている』(日本テレビ系)では、母親の復讐のために和菓子職人になり、事件の真相や過去の因縁に立ち向かう主人公を務めた。『らんまん』での寿恵子も菓子屋「白梅堂」の娘で、酒屋の当主との恋となればいわゆる身分差のような壁にもぶつかることになるのだろうか。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる