『らんまん』森優理斗、小林優仁から神木隆之介へ 3人に共通していた瞳の輝き

『らんまん』少年時代が幕を閉じる

 朝ドラ『らんまん』(NHK総合)第2週「キンセイラン」のラストにて、18歳となった万太郎(神木隆之介)が登場した。手に持っているのは、キンセイランの押し花のしおり。春、裏山にある神社の境内にはヒサ(広末涼子)が好きだったバイカオウレンが今年も咲いている。大阪から注文した本が届いたことを知らせに竹雄(志尊淳)が走ってくる。大きくなっても当主に振り回される竹雄と好奇心旺盛な万太郎は相も変わらず。いや、12歳の頃よりも草花への興味はますます増していることだろう。万太郎の底抜けの笑顔がその空白の6年間を想像させてくれる。

 これにて森優理斗、小林優仁の2人が紡いできた万太郎の少年時代は幕を閉じ、第3週「ジョウロウホトトギス」より、いよいよ神木隆之介が本格登場するわけだが、ナレーションにあったように万太郎の冒険が始まるのはここから。言うなればここまでは全130話、全26週におけるプロローグであり、万太郎のキャラクターを紹介するのに加えて、彼が冒険に出るその理由、きっかけを描いていかなければならない。

 第1週でヒサの死と“天狗”こと坂本龍馬(ディーン・フジオカ)との出会いを通じて「この花の名前が知りたい!」と志した万太郎は、第2週では学問所「名教館」で学頭の蘭光(寺脇康文)、学友の佑一郎(岩田琉生)との新たな出会いを果たす。植物の名前にとどまらず、学び続けることの大切さ、面白さを教えてくれる蘭光は、万太郎にとって天狗に続く、人生の師匠。峰屋として先祖代々受け継いできたことを守っていくことをモットーとする祖母のタキ(松坂慶子)に対して、しきたりにとらわれずに今こそ変わる時だという蘭光の教えに万太郎は心を震わせていた。

 徳川の世が終わり、時代は明治。新政府は小学校を開校し、名教館は廃止となろうとしていた。佐川を離れることとなった蘭光は、最後に万太郎と佑一郎を連れて1泊の旅に出る。行き先は美しい景観が広がる、紺碧の仁淀川。蘭光先生による特別課外授業だ。

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