『らんまん』森優理斗、小林優仁から神木隆之介へ 3人に共通していた瞳の輝き

『らんまん』少年時代が幕を閉じる

 川で釣った魚を焚き火で焼いて食らう。走っただけで咳き込んでいた第1週が遠い昔のようなサバイバル環境でもあるが、そこで万太郎は武家の佑一郎が10歳の時に父を亡くし、家督を継いでいたことを知る。自他共に認める峰屋の当主としての自覚がない、芽生えていない万太郎とは正反対だ。流石にハッとする万太郎と思い詰めた表情を浮かべる佑一郎に、蘭光はこの先の世はますます身分はなくなっていくこと、その先に残るのは己であり、「自分が何者か、人はそれを探していく。学びはその助けになる」「道を選ぶがはいつも己じゃ」と説く。2人の瞳は夜空に浮かぶ星々よりも輝いていた。佑一郎は新政府で役人として働いている叔父の下で書生として学ぶため東京に出ることに。『あさイチ』(NHK総合)の「プレミアムトーク」に出演した“前髪クネ男”じゃなかった……勝地涼が話していたように、大きくなった佑一郎を中村蒼が演じる。万太郎との再会が描かれるのが楽しみだ。

 課外授業の帰り道、万太郎は山道でキンセイランを見つける。蘭光も初めて目の当たりにするという希少な植物(現在は絶滅危惧種)。金色にも見える花の色に万太郎はゾクッと心を震わせる。まさに、百聞は一見に如かず。どれだけ本を読んで知識を得たとしても、実際に現地に赴いて植物を五感で味わい、体験することには到底叶わない。蘭光は万太郎に言う。「心が震える先に、金色の道がある。その道を歩いて行ったらえい!」と。

 

 第1話の冒頭、万太郎がなぜ危険な洞窟に入り、そこで彼ですら見たこともない花を見つけるのか、今ならそのシーンの意味がよく分かる。森優理斗、小林優仁、そして神木隆之介の万太郎としての芝居に共通して感じられたのは植物を見る時の瞳の輝き。その目に映るのは愛してやまない植物だ。万太郎の冒険が始まる。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『らんまん』【全130回(全26週)】
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:神木隆之介、浜辺美波、志尊淳、佐久間由衣、広末涼子、松坂慶子ほか
作:長田育恵
語り:宮﨑あおい
音楽:阿部海太郎
主題歌:あいみょん
制作統括:松川博敬
プロデューサー:板垣麻衣子、浅沼利信、藤原敬久
演出:渡邊良雄、津田温子、深川貴志ほか
写真提供=NHK

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