『離婚弁護士シン・ソンハン』チョ・スンウを支えた男同士の友情 結婚にまつわる至言も

『離婚弁護士シン・ソンハン』が迎えた結末

 Netflixにて配信中の韓国ドラマ『離婚弁護士シン・ソンハン』が最終回を迎えた。チョ・スンウが演じた、元アーティストの弁護士シン・ソンハンが最後に挑んだ戦いは、自身に関わることだったーー。

 チョ・スンウが作り出した新たな魅力的なキャラクター、シン・ソンハン。天才的なピアニストで、超絶技巧を魅せる腕前ながら、妹の死をきっかけに弁護士へと転身。数々の難問を抱えるクライアントのために、華麗に離婚を解決に導く手腕にスカッとさせられた。そのシン・ソンハンが、最後に挑んだ裁判は、亡き妹が遺した大切な甥である、ソ・ギヨン(キム・ジュニ)の親権を巡る自身の裁判だった。

 第11話、第12話は、ソンハンの亡くなった妹の元姑である、マ・グミ(チャ・ファヨン)の離婚訴訟が、意外な形で決着を見せる。ソンハンは、グミの離婚裁判の準備をしながら、釈然としないものを感じる。グミの離婚と、ソンハンの甥ギヨンの身に起きたことが、ソンハンの中で違和感となっていたからだ。ソンハンは、グミを呼び出し、グミの離婚裁判から手を引くと告げる。

 一方、ギヨンが鬱状態であることを知ったソンハンは、ギヨンのために、ギヨンの親権を親から伯父である自分に移すための「親権喪失」裁判を起こすことにする。財閥家の跡取りであるギヨンには、将来にわたり莫大な財産が手に入るのだが、それをよく思わない継母のチン・ヨンジュ(ノ・スサンナ)に虐げられていた。グミは、ギヨンの将来を憂慮し、離婚をして財産をギヨンへ残すつもりでいたのだ。ソンハンは、グミの離婚の真意を知り、彼女の離婚を回避させ、財産分与をさせることにする。

 ギヨンの裁判は、相手方弁護団との熾烈な攻防を見せた。ソンハンは不利な状態へと追い込まれ、疲弊し、病院で点滴を打つことに。危機感を抱えたソンハンを、竹馬の友である事務長チャン・ヒョングン(キム・ソンギュン)、不動産会社代表チョ・ジョンシク(チョン・ムンソン)の男3人の熱い友情が、がっしりと支える。突破口を見いだせないソンハンに、ジョンシクは車を売却して力になろうとし、ヒョングンはラフマニノフの逸話を持ち出し、ラフマニノフが自分の限界を超えて作った曲の話を聞かせた。

 ヒョングンはソンハンに、「俺も全力で支える、お前も力を出せ、一緒に限界を超えてみよう」と言う。さらにジョンシクは、「一緒に泣こう」と声をかけ、ソンハンは涙する。追い込まれたソンハンの辛い胸中が、嗚咽とともに溢れ出す。甥ギヨンを想う気持ちと、明かりの見えない状況にもどかしく、苦しむソンハン。ラストに向けて男3人が抱き合うシーンに、じんわりと胸に熱いものがこみあげてきた。

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