坂東龍汰、前野朋哉、濱田マリ 『リバーサルオーケストラ』を彩るバイプレイヤーたち

『リバーサルオーケストラ』を彩るバイプレイヤー

 音楽の楽しさや苦しさ、そして“大人の青春”を描き、多くのファンから愛されているドラマ『リバーサルオーケストラ』(日本テレビ系)がついにクライマックスを迎える。地方のプロオーケストラ「児玉交響楽団(通称・玉響)」を舞台にした本作は、年齢や性別、家庭環境がバラバラな楽団員が登場し、それぞれが抱える苦楽を描くことで物語に厚みが生まれている。その中でも特に印象が強かった3人の楽団員の活躍を振り返りたい。

庄司蒼(坂東龍汰)

 フルート首席を務めるのは、坂東龍汰演じる庄司蒼。坂東は映画『弱虫ペダル』やドラマ『真犯人フラグ』(日本テレビ系)など多くの作品に出演しているが、そのどれもで異なるキャラクターの役を演じ、いわゆる“演技派”の俳優だ。

 蒼は練習に遅刻してくることが多く、第1話の時点で田中圭演じる指揮者・常葉朝陽から叱責されていた。しかし、続く第2話では遅刻の原因が経済困難からアルバイトを掛け持ちしていたことであると明かされ、それ故にフルートの練習時間も取れず、また両親からの理解も得られずオケを辞めようとしていることが発覚。給料の安い地方オケに限界を感じての決断ではあったが、門脇麦演じるヴァイオリニストでコンサートマスターである谷岡初音の手助けを受け、初音の家に居候させてもらいながらオンラインでフルートのレッスンを請け負うことで生活費を稼ぎ、玉響での活動を継続することに決めた。

 初音の家に居候する中で彼女の優しさや弱さを垣間見ることが増え、次第に恋心を抱くようになり第6話で告白。しかし、初音は朝陽のことを思っていることからからフラれてしまう。以降はよきチームメイトとして、よき同居人として共に生活している。初音の妹である奏奈(恒松祐里)からも思いを寄せられているが、最終回へ向けて2人の恋に進展があるのかも気になるところだ。

土井琢郎(前野朋哉)

 前野が演じているのは、クラシックオタクであり早口で捲し立てるような話し口調が特徴の、セカンドヴァイオリンを務める土井琢郎。琢郎は時に毒舌を吐くこともあり、朝陽に対する毒舌は大体の場合本人に聞かれている。一見地味な印象だが、玉響広報のためにSNSへ投稿した動画内ではセカンドヴァイオリンというポジションについてのラップを披露し、プチバズりを経験。少々卑屈に感じる部分もあるが、オケメンバーとは積極的に交流している場面も多い。

 前野は映画『桐島、部活やめるってよ』やドラマ『婚姻届に判を捺しただけですが』(TBS系)、朝ドラ『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)などに出演、いつもクセのあるキャラクターを演じている。

 本作でもやはり、第8話の終盤では玉響を目の敵にする津田健次郎演じる市議会議員・本宮雄一と高階フィルハーモニックオーケストラに情報を流している裏切り者の役回りだった。表と裏の両面を見事に演じ分けている。ただし、根っからの悪人であるとは考え辛いため、裏切りの理由が明かされたあとは改めて玉響のメンバーと絆を深め、同じ志を持ってくれることを願いたい。

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