宇野維正の興行ランキング一刀両断!
初登場1位『アントマン&ワスプ:クアントマニア』 MCUの正念場はこれから?
先週末の動員ランキングは、マーベル・シネマティック・ユニバースの最新作にして、フェーズ5の第1作となる『アントマン&ワスプ:クアントマニア』がオープニング3日間で動員24万7561人&興収4億1055万3970円をあげて初登場1位となった。初動の強いマーベル作品だけに、今後の推移もしっかり見届ける必要はあるが、まずはさすがマーベル作品といったところか。
マーベル・シネマティック・ユニバースの映画作品との比較でいうと、『アントマン&ワスプ:クアントマニア』の前作となる『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』のオープニング3日間の興収は4億9011万150円だったので、興収比で84%の出足。前々作の『ソー:ラブ&サンダー』のオープニング3日間の興収は5億8601万1950円だったので、興収比で70%の出足。前者の最終興収は約12.5億円、後者の最終興収は約13.5億円なので、今回もまずはヒットの目安となる興収10億円はギリギリ突破できそうな見込みだ。
ここにきて10億円台前半で安定してきたマーベル・シネマティック・ユニバースの興収成績。映画作品として次に控えているのは5月3日公開の『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3』となるが、同作まではシリーズ作品の続編ということで、なんとかこれまでの観客を繋ぎ止めることができるだろう。
問題なのは、それに続く『ザ・マーベルズ(原題)』(2023年11月北米公開予定)以降の映画作品だろう。『ザ・マーベルズ』には一応ブリー・ラーソン演じるキャプテン・マーベルが登場するものの、その次の『Captain America: New World Order(原題)』(2024年5月北米公開予定)からは、いよいよこれまでと同じスーパーヒーロー(同作の場合はキャプテン・アメリカ)の名前で、劇中(同作の場合は映画ではなくテレビシリーズ)でそのスーパーヒーローを引き継いだ新しい役者が演じるターンへと突入していく。