宇野維正の興行ランキング一刀両断!
驚異のロングヒットで興収10億目前! 『RRR』興行の奇跡的な軌跡
先週末の動員ランキングは、『ワールドツアー上映「鬼滅の刃」上弦集結、そして刀鍛冶の里へ』が2週連続で1位。週末3日間の成績は動員40万2000人、興収5億7100万円。公開から10日間の成績は動員147万6181人、興収20億8842万8490円。2位は公開11週目の『THE FIRST SLAM DUNK』。こちらは2月7日の時点で興収100億円を突破、2月12日までの72日間で動員711万7771人、興収103億7972万9070円を記録している。
さて、先週末のトップ10では『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』(先週末は11位)と入れ替わるように、ジェームズ・キャメロン監督の1997年の作品『タイタニック』のリマスター版、『タイタニック:ジェームズ・キャメロン25周年3Dリマスター』が5位に初登場。6位には、デイミアン・チャゼル監督の新作『バビロン』が初登場。先週の4位から7位にランクダウンした韓国製作の『BTS: Yet To Come in Cinemas』もカウントすると、久々に3作以上の外国作品がトップ10に入ったことになる。「そんなの普通のことでは?」と思われるかもしれないが、トップ10に3作以上の外国作品がランクインするのは、昨年の11月以来、実に約3ヶ月ぶりのことなのだ。
ちなみにそのタイミング(2022年11月26日~2022年11月27日)でランクインしていた外国作品は、5位の『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』、7位の『ストレンジ・ワールド/もうひとつの世界』、10位のインド映画の『RRR』というラインナップ。3作品入っているとはいえ、どの作品も上位に食い込めていないのが外国作品の国内興行の現状を象徴してはいるが、その時点で既に公開7週目に入っていた『RRR』は現在も動員を積み重ねていて、なんと興収10億円突破目前。2月12日までの115日間の累計動員は59万5810人、累計興収は9億4625万770円。ランキングの上位だけを見ていたらわからない、驚異的なロングヒットとなっている。
2022年10月21日に公開された『RRR』が初めて動員ランキングのトップ10に入ったのは、公開3週目の9位。その後、10位に3週踏みとどまって、公開8週目に一度はトップ10圏外に。ところが、2023年に入ってからも客足は衰えることなく、公開11週目となる1月の終わりには再び9位に再浮上するという奇跡的な推移を見せて、スクリーンが何度目かの減少傾向にある現在も着実にその成績を伸ばしている。