『イルタ・スキャンダル』チョン・ドヨンが世間の標的に ヘンソンがチヨルへの恋を自覚

『イルタ・スキャンダル』ヘンソンが恋を自覚

 “韓国代表惣菜店”の社長であるナム・ヘンソン(チョン・ドヨン)に世紀末のスキャンダルが起きてしまった。まさか自分がスキャンダルの主人公となる人生が待っていたなんて思いもしなかっただろう。『イルタ・スキャンダル〜恋は特訓コースで〜』(Netflixで配信中)では、人気数学スター講師のチェ・チヨル(チョン・ギョンホ)がヘンソンの“娘”ナム・ヘイ(ノ・ユンソ)に個別指導をしている証拠を掴んだ“SKYママ”のインフルエンサー、チョ・スヒ(キム・ソニョン)によって騒ぎが大きくなる。

 淡々と対応するチヨルのおかげで火消しができたと思われたが、次は“人気講師を誘惑した母親”としてヘンソンにスポットライトが当てられてしまう。炎上をしても個別指導を続けていたチヨルだが、SNSでの拡散が止まらずチヨルを「兄貴」と慕うヘンソンの弟ナム・ジェウ(オ・ウィシク)まで騒ぎに巻き込まれてしまい、家庭教師を辞めることに。何よりナム家と距離を置いた一番の理由はヘンソンが好きだと確信したから。大切に想うからこそ離れる選択をしたのだ。それでも人の心は簡単ではない。あろうことか、あのチェ・チヨルが、面倒なことは絶対的に避けてきたはずの男が、講演会という公の場でヘンソンのことを「彼女が好きなんです。自分の片思いだった」と告白する。それも勢いではなく、本人を見てはっきりと真剣に。

 だが、ヘンソンが“既婚者”と認識されている以上、2人の関係は非難されてしまう。それにチヨルの気持ちを聞いてもヘンソンが何もできないのは、このスキャンダルによって住む世界があまりにも違うことに気づき、真実を言わないのではなく言えなくなってしまったのもあるだろう。チヨルが気持ちの整理がついた時には、ヘンソンがやっとチヨルへの気持ちを受け入れる。想い合っているだけではうまくいかないのが大人の恋なのだ。

 この状況に心を痛めていたのはヘイである。ヘンソンは未婚でヘイの叔母だとわかれば批判されずに済むが、なかなか明かせない理由があった。ヘイが中学生の時にこの町に越してきたのは、意を決して親友に生い立ちを話したら“母親に捨てられ叔母に育てられた孤児”と噂になってしまったからだ。当時、中学生だったヘイが一人で背負うにはあまりにも重すぎる。高校生にして「時には打ち明けた秘密が凶器になる」と口にするヘイはどれだけ深い傷を負っただろう。自分の存在が周りに迷惑をかけていると思って過ごすことがどれほどつらいものか。いつものように「お母さん」ではなく「叔母さん」と呼ぶのは申し訳なさからだろう。真実を公表する勇気がない自分が嫌いだと泣くヘイの姿に胸が締めつけられる思いだ。

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