『罠の戦争』草彅剛が見せるノーガードの感情表現 現実をモチーフにした政界の罠

『罠の戦争』草彅剛のノーガードの感情表現

 『罠の戦争』(カンテレ・フジテレビ系)は第5話で総選挙に突入。魔物が棲むと言われる永田町の登竜門である国政選挙には政界の闇が凝縮されている。有権者の代表を選ぶプロセスは権力を手にするための熾烈な闘いであり、おのずと総力戦の様相を呈する。

罠の戦争

 鷲津亨(草彅剛)が置かれた状況は以下のとおりだ。犬飼(本田博太郎)の後釜として千葉15区の公認を得た亨は、後援会長の鰐淵(六平直政)を味方につけた。犬飼の地盤を引き継ぎ、安泰と思われた選挙戦は刺客の登場によって一変する。亨の前に立ちはだかったのは新人候補の有馬保奈美(真田麻好美)。フリージャーナリストの有馬は総理の竜崎(高橋克典)と親しく、無所属ながら竜崎のバックアップを得て選挙戦を有利に進めていた。執拗なまでに亨を落とそうとする竜崎は、泰生(白鳥晴都)の転落事故の隠ぺいを指示した人物であるように思われた。竜崎と有馬陣営の妨害はうぐいす嬢の引き抜きやデマを記したチラシの配布に及んだほか、スパイを送り込んで亨の動向を探らせるなど徹底していた。鷲津陣営は勢いをそがれた上、眞人(杉野遥亮)の意図しない買収行為が発覚し、険悪なムードに包まれる。

罠の戦争

 劣勢を見て取った幹事長の鶴巻(岸部一徳)は自ら選挙区に入り、亨に秘策を授ける。亨に渡したのは“実弾”500万円。これを市議会議員に渡して票集めをさせろと言うのだ。グレーな手法に亨は尻込みするが、鶴巻の「表沙汰にならなきゃいい」という言葉を聞いて現金を受け取る。秘書の貝沼(坂口涼太郎)が市議会のドン(諏訪太朗)に現金を渡しに行くと、警察がやってきて封筒の中身を見せるように言う。絶体絶命と観念したところで封筒に入っていたのは亨の選挙ビラ。意表を突かれた一同の前に亨が現れる。

罠の戦争

 亨は事務所の動きが敵陣営に筒抜けであることを利用した。警察を動かせる人間は限られているが、総理に近い人間なら可能だ。亨は長年一緒に働いたウグイス嬢に頼んで竜崎の政務秘書官である猫田(飯田基祐)が有馬とつながっている証拠を押さえ、猫田に突きつけた。追い込まれた状況から相手の力を利用して反撃する亨らしい作戦だった。竜崎という後ろ盾を失った有馬を亨は猛追し、勝負の行方は最終日までもつれ込んだ。

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