玉城裕規、『罠の戦争』撮影現場は“夢の中にいるような感覚”だった 草彅剛は「別次元」

玉城裕規、『罠の戦争』草彅剛らとの共演秘話

 『罠の戦争』(カンテレ・フジテレビ系)がとにかく面白い。衆議院議員・犬飼孝介(本田博太郎)の第一秘書を務める主人公の鷲津亨(草彅剛)の息子が、ある日突然歩道橋から突き落とされてしまった。それを「事故としてほしい」と揉み消された亨が、妻の可南子(井川遥)と、同じ事務所の後輩にあたる私設秘書の蛍原梨恵(小野花梨)、そして新人の蛯沢眞人(杉野遥亮)と共に事件のもみ消しに関与した人間に復讐する物語。権力を手にし、弱者を踏みつけていく者たちに制裁を与える様子が見どころだが、そんな中でも存在感を発揮しているのが、犬飼孝介の息子で政務秘書官を務める俊介(玉城裕規)だ。

 1月30日に放送された第3話では、俊介の素行の悪さが露呈。2月6日に放送される第4話で亨と衝突する様子が描かれる。俊介を演じるのは、長年舞台をはじめ、数多くの作品で活躍してきた俳優・玉城裕規。“政治家のバカ息子”らしさや、そのクズっぷりを存分に演じきる彼に、撮影の背景や役作りについて話を聞いた。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

草彅剛は「すごく愛のある方」

ーーフジテレビ系連ドラ初出演となりますが、まずは出演のご感想からお聞かせください。

玉城裕規(以下、玉城):ついに、という感じで緊張しっぱなしでしたね。最初はリラックスできていましたが、いざ犬飼俊介の役で撮影が始まると、夢の中にいるような感覚でした。幼いときからテレビの中で見てきた草彅(剛)さんが主演ということで、そんな相手が現場にいらっしゃるのもすごく不思議でしたし、パーティー会場のシーンでは大先輩方と同じ空間にいたので、ただただ痺れました。エキストラの方々も年配の方々が多くて、皆さんに優しく接していただいたこともあって、ある意味リラックスできましたが……大先輩の皆さんが“総理”とか、国のトップの役でもあったので、プレッシャーがすごくて(笑)。歩いてくる場面でも、覇気というかオーラに当てられて、それに慣れるところから始まりましたね。

ーー確かに、特に内閣総理大臣の竜崎始役を演じる高橋克典さんは、現在放送されている朝ドラ『舞いあがれ!』(NHK総合)の岩倉浩太役と大きく印象が違いますもんね。犬飼俊介も例に漏れず強い役柄ですが、演じてみていかがでしたか?

玉城:最初の頃はバカ息子という印象で、お金のことや暴力沙汰など問題はありますが、実際それがあまり描かれていなかったんですよね。周囲のキャラクターのセリフによってその人柄が説明されているんです。なので、自分自身でも「俊介が問題を起こしそうな人物である」という意識はあまり持ちませんでした。逆にそういうふうに、「あ、暴力をしそうな人」感を強く押し出すと、よりチープになるかなと思って。そのバランスはすごく難しかったですね。最初のシーンでは俊介を少しバカっぽく、わかりやすく言うと多少チャラチャラした感じにしましたが、もう見た目がチャラかったりバカっぽかったりするので、「やりすぎないほうがいい」とプロデューサーとも話し合って決めました。やはり見た目ってすごく大事だなと思って。その面では監督が衣装に強くこだわってくださりました。とにかくタイトで、パッツパツなんですよ(笑)。髪型も「俊介はこんな感じだと思う」っていうのを作ってくださったので、僕はなされるがままで。衣装や見た目の印象がキャラクターを物語るからこそ、やりすぎないほうがやっぱり良かったんだなと思いました。

ーー先ほど子供の頃から見ていたと話されていた草彅さんとの共演のご感想は?

玉城:いや、もうすごく愛のある方といいますか、優しく接してくださって、りんごもいただいて……。

ーーえっ、まさかあの第1話でグシャってしたやつですか?(笑)

玉城:違う違う!(笑)でも、ちょうど放送が始まる前に「りんごをいただきました」ってSNSに投稿したら劇中でああなっていたので、何かの匂わせっぽくなっちゃったなと思いました(笑)。ただ、すごいなと思ったのが、草彅さんは楽屋や控え室で、ギターをいつも弾いているんですよ。周りに迷惑にならないよう、多少音の大きさに気をつけながらずっと弾いていて、「出番です」と言われたときに「よし!」と言って自然に行くんです。普通、「次のシーンはこうして、ああして……」とか考えたりすることもあるじゃないですか。それが全く別というか、独自のルーティーンみたいなものがあるのかなと、ずっと見ていて思っていました。とにかく凄かったです。

ーー撮影に入る直前まで弾かれているんですか?

玉城:そうですね。やはり第一線でずっと活躍されてきた方は別次元というか。皆さんエグかったです。控え室にずっといられなかったですもん(笑)。僕は何かしら立ち上がって、ウロウロしていました。

ーー犬飼俊介はアクの強い役柄ですが、お話を聞いていると玉城さんとは真逆のキャラクターですね。自分と性格がかなり違う役を演じる上で、挑戦的だったことや意識したことはありますか?

玉城:(性格は)ぜんっぜん違いますね。ただ失礼のないように、と思って日々過ごしています。意識に関しては、全くしたことはなかったです。というのが、彼の吐く言葉やセリフそのものが彼の人物像を表しているので、その上でさらに意識をして演技をすると、それこそくどくなってしまいそうだなと懸念がありました。なので、周りの方とのそのときの空気感で順応して演じるという意識の方が強かったです。

ーー第4話は犬飼俊介にスポットライトが当たっていましたが、撮影時を振り返ってみるとどうですか?

玉城:第4話に入ると俊介のセリフもそうですし、多少彼の今まで見えてこなかった部分が見えてきたりするので、楽しかったですね。僕の中では犬飼親子の関係性が強く描かれた回に感じます。俊介の中で、あまり興味がなかった代議士に出馬することへの意思が少し芽生えた瞬間があったり、「お父さんのことが好きなんだな」って、やはり父に憧れていた部分があったり、その“犬飼親子の愛”というのを、演じていて初めて実感した瞬間だったかもしれません。お父さんがその地位にいるからこそ、それに甘えて好き勝手やっていた部分があった彼が、ようやく自立しようとするので。すごく切なくなったというか。父親がいない中、不慣れなことをやって父の代わりになろうとするけど、自分は今までやってこなかったことが多いから失敗する。それに対して悔しいと思う俊介の感情も僕の中で実感していましたね。あとは可南子役の井川遥さんの女神感がとにかく凄すぎました(笑)。覇王色っていうか、もはや後光が差していました。いろんなオーラや気を持つ方が現場に多かったからこそ、いろんなものに当てられて感情がバラバラになりましたね。オンエアは緊張しています。第3話の放送時もかなり緊張していたので、軽くお酒を飲まないと観られないです(笑)。

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