『罠の戦争』草彅剛×六平直政、2作連続の名シーン 登場人物の名前に隠された秘密とは
『罠の戦争』(カンテレ・フジテレビ系)が2月6日に第4話を迎えた。相次ぐスキャンダルと急病によって失脚した犬飼(本田博太郎)に代わって、亨(草彅剛)は党から出馬の打診を受ける。しかし、亨の立候補を阻止しようとする人々が現れ……。
犬飼を倒した亨に開けた政界への道。だが、亨自身は乗り気ではなかった。俗に言う地盤、看板、鞄を持たない亨にとって高いハードルで、そもそも政治家になる野心もない。妻の可南子(井川遥)も反対していた。それでも話を受けようとしたのは、泰生(白鳥晴都)のことがあったからだ。犬飼は泰生を突き落とした犯人を知らなかったため、隠ぺいを依頼した人物を探すしかない。事件の翌朝、犬飼はホテルに呼び出されており、ホテルを定宿とする後援会長の鰐淵(六平直政)に亨は接触を図る。
挨拶に訪れた亨に鰐淵は厳しい態度で臨む。県連の役員を兼ねる鰐淵は亨を支持しないと断言。鰐淵は犬飼やその息子・俊介(玉城裕規)とつながっており、彼らの意を受けての対応だった。正面突破が難しいと判断した亨は、可南子や梨恵(小野花梨)、眞人(杉野遥亮)に事情を話し、鰐淵の周辺を探らせる。一方、犬飼たちも黙ってはおらず、亨の悪評を広め、マスコミやネットに情報を流して亨と可南子をバッシングする。
第4話の亨は、敵に罠を仕掛けない点でこれまでの3回と異なっていた。自身の進退もかかるだけに慎重にならざるを得ない上、敵の正体がはっきりしない中で次の一手を探る流動的な局面だったことも影響していただろう。デマや風評に対処する受けの戦いにならざるを得ず、亨の立場が上がるにつれて、こうした攻撃も増えることが予想される。
打開の糸口になったのは鰐淵の家族関係だった。鰐淵は認知症の母かよ(白川和子)と同居していたが、かよの面倒はもっぱら妻の美恵子(滝沢涼子)が見ていた。介護経験のある可南子は美恵子の悩みを聞き、かよを施設に預けてから美恵子を自宅に招く。鰐淵は家事や介護を押し付ける一方で美恵子の話を聞こうとせず、そんな鰐淵に美恵子は離婚届を突きつける。頃合いを見計らって亨はふたたび鰐淵のもとへ。そこにかよが失踪したという知らせが入る。川に入ろうとしたかよを亨が助け、その様子を目にしてかたくなだった鰐淵もついに心を開いた。
鰐淵役の六平直政は『嘘の戦争』(2017年/カンテレ・フジテレビ系)にも出演。六平が演じた刑事の三輪は、少年だった浩一(草彅剛、幼少期:小林颯)の証言を嘘と決めつけることで一家惨殺事件を闇に葬ろうとした。のちに大人になった浩一から報復を受けて涙ながらに改心。『罠の戦争』でも鰐淵は亨の誠実さに触れて態度を改めたが、前作に続く名シーンとなった。