木南晴夏が語る、『ブラッシュアップライフ』の“没個性” 「消そうとしても残るのが個性」
現在放送中の日本テレビ系新日曜ドラマ『ブラッシュアップライフ』で、安藤サクラと夏帆と一緒に仲良し3人組を演じている木南晴夏。何度もタイムリープをする麻美(安藤サクラ)にとって、この3人組はいつでも変わらず仲良くしてくれて、“落ち着く場所”となっている。そんな3人組の中でも、ひときわ暖かな空気を醸し出しているのが木南晴夏演じる美穂だ。この「よくいる友達感」が生み出された要因を聞くと、自然体に演じていること、そして自然に演じられる脚本と監督の存在があった。取材中も常に笑顔を見せていた木南に、本作の面白さはどこから来ているのかを聞いた。【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】
「個性を消そうとしても残るのが本当の個性」
ーー木南さん演じる美穂の演技を見ていると、「こういう人、女友達によくいるな」という感覚になります。そういう“友達感”を出すためにしたことなどを教えてください。
木南晴夏(以下、木南):安藤サクラさんも夏帆ちゃんも、こんなにガッツリとお芝居を一緒にやるのは初めてなんです。顔合わせをして台本の読み合わせをしたあと、この3人とスタッフの方でお茶しようとなったんです。そうした方が緊張感がなくなるかもと。それでお茶して、個室の方が気兼ねなく喋れるからと最終的にはカラオケにも行ったんです。第1話でもカラオケのシーンがありましたけど、このまま撮影したらいい感じかもと思えるぐらい初日からリラックスできました。それがあったから、緊張感が全くない状態で演じることができたのかなと思っています。
ーーそのときは皆さんでどういう話をされましたか?
木南:なんてことない雑談ですね。カラオケのシーンで何を歌うかとか。その曲をちょっと歌ってみたりもしました。あとは「脚本面白いよね」とか、夏帆ちゃんは前にもバカリズムさん脚本のドラマ(『架空OL日記』読売テレビ・日本テレビ系)をやっていたから、「どういう感じなの?」みたいなことを聞きました。
ーー木南さんは『ブラッシュアップライフ』の脚本について、どのように感じましたか?
木南:私、会話劇がすごく好きなんです。みんなが「わーっ」って喋り続けるのが好きだから、単純に「すごく面白そう」と思いました。あとリアルなんだけど、でもやっぱりバカリズムさんにしか思いつかないようなちょっとエッジの効いた会話で、面白さとリアルな感じのバランス感がすごく素敵だと感じています。
ーーそんな日常を描いた会話劇なのに、伏線が張り巡らされてますよね。
木南:いろんな伏線がそれぞれの話に含まれていて。それこそタイムリープをすることによって点と点が繋がるような、本当にいろんな伏線が盛り込まれていて、鳥肌が立ちました。「バカリズムさんすごすぎる~!」って(笑)。そうでないと書けないような台本です。
ーー確かにそう感じます(笑)。美穂はどういう役だと認識していますか?
木南:普段のドラマの撮影のときだと、キャラクターを探すというか、「どういう人なんだろう?」とか考えます。ですが今回は、没個性をテーマにやっているので、特にそういう考えはしていないんですよね。平々凡々の人たちの話で、それに「個性を消そうとしても消せなくて残るのが本当の個性」だとも思うんです。ドラマの中でこの子はこういう性格だからこういうふうにやろうとか、オーバーな演技をしようとか無駄なものをつけずにやったら、そのまま何か残ったみたいな感じが個性かと思ってます。だから、今回は基本的に自分の中では何も考えずに演技をしています。
ーー木南さんの素の部分が出ているんですか?
木南:そういうわけでもないから不思議だなと思います。私の個性とはまた違うし、ちゃんと美穂の個性が出来上がっているんですよね。
ーー3人が会話している様子も、とてもリアルだなと感じていました。
木南:なんだろう、会話の内容はリアルなんですけど、“バカリズムさんの頭の中の会話”という感じがします。不思議な感覚なんですよね。設定は日常ですし、会話の内容はもう全然普通のことなんだけど、でも自分では絶対にセリフとして思い浮かばないような面白さがあって。そこがバカリズムさんにしか書けない会話劇だなと思います。
ーー木南さんが好きなエピソードやシーンはありますか?
木南:撮影のときは3人の会話のシーンしか知らなかったけど、映像になって初めて観たときにすごく面白かったのは、小さい麻美(永尾柚乃)のシーンですね(笑)。演技がすごく上手で、小さい麻美ちゃんがいい表情をするんですよね。なんかそれがすごく面白くて。あの子の冒険活劇みたいなものをずっと観ていたいなって思います。
ーー今後も絡みは多分ないですよね。
木南:想像の世界とか出てきてくれればあるかもしれないけど(笑)。