『舞いあがれ!』制作統括が称賛する横山裕の演技の“深み” これからの悠人への言及も

『舞いあがれ!』CPが称賛する横山裕の演技

 『舞いあがれ!』(NHK総合)第89話にて、悠人(横山裕)が自身の罪と向き合い、もう一度人生を再出発し始めた。

 インサイダー取引をした疑いがあると報道された悠人は、舞(福原遥)とめぐみ(永作博美)の励ましもあり、自身の罪を償うことを誓う。仕事に対しての考え方の違いから対立し喧嘩別れとなってしまった浩太(高橋克典)が、悠人の投資家としての才能と努力を認め、分かろうとしていたことを、生前に遺していた「歩みノート」を通じて悠人は知る。父の遺影を前に後悔の念から大粒の涙を流し咽び泣くシーン、東京へ向かう朝に舞とめぐみと食卓を囲み、不器用ながらも自分に正直になる場面からは、彼の心の変化が見て取れる。

 制作統括の熊野律時は、悠人という人物について「横山さんが作り上げてくださったキャラクター」だと語る。合理的な考え方の悠人は、人情で動く浩太とは正反対のタイプ。言うことはドライで、シビアな目線の持ち主だが、根底には家族への不器用な愛情が確かにある。

「家族への本心は悠人の言葉になるとなかなか伝わりづらいところがあって、本人もそこで苦しんでいるし、お互い分かり合えなかったりする切なさをしっかりと表現していただいています。家族であってもなかなか難しい部分があったりする、そこの繊細な部分を的確に演じていただいていて、横山さんではなかったらここまで深みのあるキャラクターにはならなかったと思うくらい、悠人を理想的な形で演じていただいていると思っています」

 公園でずぶ濡れになって倒れている悠人を助けたのは佳晴(松尾諭)、救護したのは看護師である久留美(山下美月)だった。自分の命を救ってくれた2人にあろうことか突っぱねる態度を取っていた悠人だったが、佳晴と久留美の“ホームグラウンド“とも言うべきカフェ「ノーサイド」にて、彼はお礼の品を渡す。佳晴には着替えに借りた服、久留美には馴染みの「うめづ」のお好み焼き。迷惑料の現金ではなく、そこには悠人なりに考えて選んだ思いが詰まっている。

「悠人は自分の好きなお好み焼きぐらいしか特に思いつかなかったんですよね(笑)。久留美ちゃんも、この人は変わったし突っ張っていた部分が取れたんだなって思ったはずです。子供の頃から知っている舞のお兄ちゃんというのもあるので、そこはホッと嬉しかった部分ですし、頑なだったお兄ちゃんがこんなふうに変わったんだって温かい目で久留美は見ていたと思います」

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