吉野北人が考える仕事への向き合い方 大切にしているのは「常に楽しむ気持ち」

吉野北人が考える仕事への向き合い方

 現在放送中の水10ドラマ『スタンドUPスタート』(フジテレビ系)は、竜星涼演じる三星大陽がさまざまな事情を抱えた“訳アリ人材”に投資を行っていく人間再生ドラマ。本作に出演中のTHE RAMPAGE from EXILE TRIBEの吉野北人は、大陽からの出資を受け、若くしてゲーム会社の社長として成功をおさめた小野田虎魂役を演じている。映画『HiGH&LOW THE WORST X』、『魔法のリノベ』(カンテレ・フジテレビ系)など俳優業での活躍が続く吉野だが、今作では“陽キャ”な虎魂役をどのように再現したのか。役への向き合い方から、仕事とプライベート、それぞれの2023年の目標を聞いた。【インタビューの最後には、コメント動画&サイン入りチェキプレゼント企画あり】

吉野北人の理念は「周りの人を大切にする」

ーーまず台本を読んだ感想から教えてください。

吉野北人(以下、吉野):コロナ禍で、仕事について考える時間がすごく増えていて、周りでもさまざまな職業をされている人、特に起業している人も多く、「スタートアップ」自体にとても興味があったので、台本を読んでいて、今の社会にすごく合っているドラマだと思いました。ただ、虎魂は僕自身とはかけ離れているキャラクターだったので、どう演じようかという点で楽しみもありつつ、不安もありつつ……という感じでした。

ーーそんな虎魂役に対して、どのようにアプローチしていきましたか?

吉野:まずは原作を自分の中に落とし込むことから始めました。あとは見た目ですね。役名が「虎魂」で“虎”が入っているので、髪もただの金髪ではなく、黒のローライトを入れて“虎っぽさ”を出しました。性格的にも虎魂はすごく“陽キャ”で明るいキャラクターですが、その感じは自分の中にはなかったので、美容師をしている陽キャな友達に会って、“バイブス”をもらいながら役を作っていきました(笑)。

ーー口調とかを教わったんですか?

吉野:そうですね。ホストのような雰囲気の友達なので、会う時間を増やして、自分にない要素や陽キャのノリをその友達から学びました。

ーーそんな虎魂役の魅力だと思うところを教えてください。

吉野:やはり見た目とか生き方はチャラチャラしているけど、根は真っ直ぐなところですね。社会性はあまりないのですが、大陽さんからスタートアップしてみないかと言われて、実際に起業して社長になる。そんな成長が見えるキャラクターなので、本当に可能性を感じますし、真っ直ぐですよね。1つのことに対してかける熱量もそうですし、「本当にこいつなら大丈夫」という信頼感があって、かわいげもあります。社会にはあまり馴染めないタイプなですが、愛嬌もあるし、いいやつです。

ーー陽キャの部分は全然似ていないとのことですが、演じていく中で虎魂と共通する部分はありましたか?

吉野:作中で、「本当にこれでいいのか?」と葛藤をする場面があります。虎魂は、普段は何も考えてないように見えて実はいろいろ考えているタイプで、僕も同じく考えすぎてしまうタイプなんです。ただ、見た目だけで「何も考えてなさそうだね」と言われてしまうこともあるんですが、意外と考えていることも多くて。そういうところは似ているかなと思います。

ーー今回、原作と比べると少しソフトに役作りをされているように感じました。

吉野:原作の虎魂は、陽キャでチャラチャラしているのもあって、本当に“強く”見えますよね。でも監督からは「かわいらしさも入れてほしい」という話をされていたので、話し方とかはオラオラしすぎないように意識しました。監督が言ってくださったのは、「オラオラし過ぎてしまうと“自分”というものを殺してしまうから、自分自身を活かしながら演じてほしい」というものでした。なので、強いセリフでも自分らしさも取り入れながらやりました。

ーー大陽についてはどのような人物だと思っていますか?

吉野:めちゃくちゃ熱い男ですね。言葉と行動で示してくれる人物で、自然と信頼もできる。だから虎魂も憧れを持って慕っていると思います。しっかりした芯を持ちつつ、野望もあって熱い、とても真っ直ぐな人物だと思います。

ーー大陽が吉野さんの周りに実際にいたら、やはり虎魂のように慕う感じになりそうですか?

吉野:そうですね。ちゃんと助言してくれたり、「大丈夫だよ」と言葉をかけてくれたり、それに行動でも示してくれるので。そういう人にはやはりついていきたくなるというか、憧れます。

ーー大陽役の竜星涼さんは、共演の前後で印象は変わりましたか?

吉野:最初の印象は、もう本当に身長が高いなと(笑)。モデルさんというか、スタイルもいいですし。お芝居をやらせていただく中では兄貴的な存在というか、「もっとこうした方がいいんじゃない?」とか、「ここはこういうふうな気持ちで」とかいろいろ言ってくれるので、そういうところはすごく頼もしいです。

ーーそうした言葉を受けて、お芝居は変わりましたか?

吉野:変わりましたね。それに竜星さんが抱いているイメージに自分も気持ちを持っていくという感じでした。

ーーちなみにお芝居以外だとどんなことをお話しされているんですか?

吉野:僕が歌番組などのテレビに出ていたときも、「昨日観たよ」とか言ってくれることがあって、いろいろチェックしてくれているなと感じました。

ーー大陽には「資産は人なり」という理念がありますが、吉野さんご自身の理念を教えてください。

吉野:「周りの人を大切にする」ですかね。家族をはじめ、自分が大事にしたいと思う人はちゃんと大事に大切にする。仕事をする上でも周りにいる人は大事だと思います。やはり人なので、自分が偉いとかそういうのはあんまりなく、誰に対しても対等に接するようには心がけています。

ーー吉野さんは、『魔法のリノベ』のときはソフトな雰囲気の役、映画『HiGH&LOW THE WORST X』のときは男らしい役、そして今回は虎魂と、毎回異なった役柄を演じていますよね。吉野さんはお芝居に対してどう向き合っていますか?

吉野:やはり毎回難しいですね。葛藤しながら手探りでやっています。その中でキャラクターごとの正解を見つけていっているというか。事前に「こういうふうに演じたい」と思っていても、現場でお芝居をすると「これじゃないな」みたいな感じになってしまいます。なので、実際には芝居をする中で作っていってるいという感じですね。あと監督が考えているイメージもあるので、監督にも「今のはこれでよかったですか?」とか、細かく聞いています。その上で「こういう感じだな」と思えるところまでそのキャラクターを作っていっています。

ーー吉野さんはデビューまで3~4年くらい下積みの期間があったそうですが、様々な作品での活躍が相次いでいる今、仕事に向き合うときに大事にしていることは何ですか?

吉野:やはりワクワクすることです。そうでないと無理ですね。常に楽しむ気持ちで取り組まないと、きっと本当に楽しくなくなってしまうので。

ーー役者と歌のお仕事で、向き合い方は変わりますか?

吉野:基本一緒です。仕事はすべて共通しているというか、何事も一緒かなと思います。大変さが少し違うくらいで、やるべきことは一緒ですね。

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