『Get Ready!』妻夫木聡と藤原竜也の闇医者チーム結成秘話 絶望の淵で問う“生きる意志”

『Get Ready!』が問う生きる意志

 2月5日放送の『Get Ready!』(TBS系)第5話では、過去と現在の交錯から生きる意志を照らし出した。

Get Ready!

 第5話の患者は急性壊死性膵炎の佐々木健二(高橋光臣)。健二の妻・渚(小島藤子)は若年性アルツハイマーを患っていた。日に日に病状が進行する中、健二は治療を持ちかけたジョーカー(藤原竜也)の提案を断る。ジョーカーを健二の元へ向かわせたのはエース(妻夫木聡)で、急性壊死性膵炎はかつてエースがジョーカーを執刀した際の診断名だった。

Get Ready!

 物語はエースとジョーカーの出会いにさかのぼる。スペード(日向亘)は仮面のメンテナンスに訪れた町工場の職人・石川(小林勝也)、通称“クローバー”からそのことを聞く。ジョーカーこと下山田は腕の良い弁護士だったが、病気で余命1カ月を宣告される。そんな時、バーでエースと出会った。生気が感じられないエースに、ジョーカーは「命があるだけまし」と言うが、エースは「生きていればそれでいいのか」と返す。2人の会話は平行線のまま意外な形で答えを導き出した。

Get Ready!

 同じ病名をキーフレーズに、回想シーンをカットバックで挿入しながらドラマは進行。有罪となった犯罪者の親族に恨みを買い、刺された下山田は悔しさをにじませながら、エースに「生きろよ」と言い残した。現在で生きていくことに絶望した健二に、エースは、渚を絶望の淵に置いてもよいのかと問いかける。その言葉は4年前に下山田がエースに投げかけたものだった。わけあって医者をやめたエースにメスを握らせたのが、「絶望の淵から這い上がるしかない」という下山田の言葉だった。エースは下山田を執刀し、命を救われた下山田はエースとともに闇医者チームを始動した。

Get Ready!

 執刀開始の合図として発する「Get Ready」は、ふたたび手術台の前に立ったエースの姿と響き合う。タイトル回収に加え、生きる意味を問う本作で、生きる意志が全ての起点にあることを再確認した。医師として一度死んだエースを蘇らせたのは生きたいと願う下山田の意志で、医師の崇高な使命は患者の生きる意欲があってこそと痛感した。救う側が救われる側であるという関係は、健二と渚にもあてはまる。健二は絶望を感じていたが、それでも渚と過ごすことが生きる支えになっていたのではないか。生きることそれ自体は希望に満ちたものではなく、絶望の淵から這い上がる過程で目にする景色は地獄そのものかもしれないが、それでも生きる意味はあると伝えていた。

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