『エミリー、パリへ行く』S3は“選択”の連続 仕事×恋愛×友情に動きが

『エミリー、パリへ行く』S3は選択の連続

 Netflixオリジナルシリーズ『エミリー、パリへ行く』のシーズン3が配信中だ。2020年より第1シリーズが配信された本作では、主演をリリー・コリンズ、製作総指揮を『セックス・アンド・ザ・シティ』シリーズのクリエイターであるダレン・スターが務めている。大人なロマンス作品らしさと煌びやかなパリらしいファッションや風景が合わさり、現代を生きる私たちの生活を彩ってくれる大人気ドラマだ。

 シカゴのマーケティング会社に勤めるエミリー(リリー・コリンズ)が、妊娠した上司マデリン(ケイト・ウォルシュ)の代わりにパリへ出向することになるところから物語が始まった。シカゴの彼とも別れ、心機一転あこがれのパリにやってきたエミリーを取り巻く友情や恋愛、仕事での奮闘を描き、シーズン2では、フランスで友人になったカミーユ(カミーユ・ラザ)にガブリエル(リュカ・ブラヴォー)と仲を深めたことがばれてしまい、友情関係は最悪に。仕事も波乱の連続で、ラストには本社からマデリンがやってきてかき回したことで、フランスでの上司シルヴィー(フィリピーヌ・ルロワ=ボーリュー)やリュック(ブリュノ・グエリ)、ジュリアン(サミュエル・アーノルド)ら同僚たちが会社を離れてしまうまでになっていた。

 そんな波乱万丈な生活の中で、シーズン3でも相変わらずエミリーの仕事と恋愛、友情にフォーカスが置かれている。有能すぎるエミリーは次から次へとマーケティングのアイデアが溢れ、案件も人脈を利用してどんどん取ってくる。何もかも順調で、パリという街で大成功を収めているようにも見える彼女は、劇中で「プライベートを楽しむのが怖い」と悩みを打ち明ける。シーズン2からの新恋人・アルフィー(ルシアン・ラヴィスカウント)との恋愛も、仕事が優先で上手くいかなくなってしまうなど、仕事が自分の人生の中心軸となってしまっていた。しかし、そんな自分から脱却しようと、アルフィーと過ごす時間はスマホを見ず、二人だけの時間を楽しもうと努力する姿も見られる。今までSNSを活用してプライベートの時間も、フォロワーたちに共有してきたエミリーにとって、大きな一歩だっただろう。

 リュックとジュリアンも、エミリーの良き理解者として今回も登場する。サヴォワールの一員であり、シルヴィーの扱い方をエミリーに教えてくれる同僚として描かれていた彼らだったが、シーズン3ではリュックの元恋人が登場したり、エミリーをライバル視するジュリアンの様子も映し出されており、彼らが歩む人生も少し垣間見ることができる。

 エミリーとパリで出会い、今ではルームメイトであり親友となっているミンディ(アシュレイ・パーク)の歌声も、作品のアクセントとして度々登場する。有名歌手の登竜門とも言えるジャズクラブで歌う機会を得た彼女は一人でステージに経つことに不安を覚えていたが、一人でもプレッシャーに打ち勝ち、デュア・リパの「Don’t Start Now」や映画『アリー/ スター誕生』の「Shallow」など、有名曲も自分の物とし、うっとりしてしまう歌声で今回も観客を魅了していた。

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