『エミリー、パリへ行く』S3は“選択”の連続 仕事×恋愛×友情に動きが
そんな「相変わらず」なエミリーたちの人生の中でも、シーズン3ではそれぞれが人生の分岐点に直面することになる。今回の大きなテーマは「選択」だと言えるだろう。
シーズン2の最後に大きな決断を下したエミリー。今まで自分のキャリアを積み上げてきたサヴォワールに残るか、それともシルヴィーが立ち上げた新会社の一員として憧れだったパリで働き続けるか。そして恋愛も、燃えるような情熱的な恋をしたガブリエルか、ガブリエルとの関係も理解しパリに残ってくれたイギリス人のアルフィーか、気持ちはどちらにあるのか迷うことになる。
同じころ、ミンディーも選択に直面する。今まで同じバンドのブノワ(ケビン・ディアス)と公私ともに良い関係を築いてきたが、ある日再会した寄宿学校時代の憧れであるニコラ(ポール・フォーマン)からの猛プッシュを受け、気持ちが揺らいでいく。
ガブリエルとよりを戻し、恋愛は安定しているように見えたカミーユにも新たな誘惑が忍び寄る。個展を通して絆を深めたアーティストのソフィア(メリア・クライリング)と関係を持ってしまうのだ。ガブリエルからのプロポーズもあり、どちらとの道を歩む方が自分が納得するのか、彼女なりに葛藤していた。
さらに、シルヴィーの男関係にも大きな動きが。別居中の夫がいるにもかかわらず、何人もの男性と関係を持ってきたシルヴィーはカメラマンの年下男性と熱愛中だった。しかし、夫とも仲が悪いわけではないため、家では二人が鉢合わせをしてしまうことも。それがきっかけで、シルヴィーの恋愛観にも変化が訪れることになるのだが、誰にも依存しない、どちらの愛も選択する、そんな方法もあるのだと教えてくれる。ミンディーも「私には2つの愛がある 私の故郷とパリ」と歌っているくらいだ。
エミリーはフランス語の授業で、実存主義のサルトルが唱えた「選ばないことも選択」という言葉を耳にする。正解の見極め方はなく、信念をもって生きるのみなのだ。分かれ道に遭遇した時、どちらかに進まなければならないわけではなく、新たな道を切り開いていくこともできる。人生は選択の連続と言われる中で、彼女が選ぶ道も参考にしながら、自らの人生も歩んでいきたいと感じさせられるシーズン3となっている。
■配信情報
『エミリー、パリへ行く』
Netflixにて独占配信中