『舞いあがれ!』あまりにつらい浩太の最期 朝ドラで描かれてきた「父の死」を振り返る

『舞いあがれ!』あまりにつらい浩太の最期

 主人公を応援し、心の支えとなるような父親も存在する。朝ドラ『ちむどんどん』では第6話という早い段階で賢三(大森南朋)が畑で倒れ急逝。視聴者に惜しまれつつの退場となった。常日頃からありのままの暢子(稲垣来泉/黒島結菜)を肯定し「暢子は暢子のままで上等。自分の信じた道を行け」と語り掛ける良き理解者であったがゆえ、あまりに早い死には比嘉家だけでなく視聴者も嘆き悲しんだ。

『ちむどんどん』賢三が遺した言葉の数々 大森南朋の“6日目”退場は早すぎた?

NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』第2週初日を最後に、大森南朋が惜しまれつつも退場することに。SNS上では、大森演じる主人公・…

 大変ドラマチックに描かれたことで印象深いのが、朝ドラ『カムカムエヴリバディ』(NHK総合)安子編での父親、金太(甲本雅裕)の最期だ。和菓子屋「たちばな」を営んでいた金太が死に際に見た夢は、出征中の不肖の息子・算太(濱田岳)がいつの間にかおはぎ売りの孤児と入れ替わっていたというもの。算太は才覚でおはぎを売りさばいて大金を稼ぎ、死んだはずの家族が皆で集まっておはぎを食べながら笑いあう。戦後の悲惨な状況の中で金太が最後に見た夢は希望と幸せに満ちたものであった。

『カムカムエヴリバディ』金太が最期に見た“夢”に涙 甲本雅裕が畳みかけた名演技

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 『舞いあがれ!』での浩太の死がIWAKURAや家族に与える影響は計り知れない。経営のことはもちろん、めぐみの生活や、舞の将来にさえ大きく関係していくだろう。それだけに、舞を心配する声も多数。Twitterでは「舞が、パイロットの夢を諦めたら嫌だ」「家族の中で一番悔しいのはケンカ別れが永遠の別れになった悠人だろう」という投稿が多く見られた。IWAKURA売却を考えていた悠人(横山裕)の、今後の心の動きも気になるところ。舞は苦しい状況下に立たされてしまったが、ここまで努力して掴みかけたパイロットという夢をなんとか叶えてほしい。

■放送情報
NHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』
総合:午前8:00〜8:15、(再放送)12:45〜13:00
BSプレミアム・BS4K:7:30〜7:45、(再放送)11:00 〜11:15
出演:福原遥、横山裕、高橋克典、永作博美、赤楚衛二、山下美月、目黒蓮、長濱ねる、高杉真宙、山口智充、くわばたりえ、又吉直樹、吉谷彩子、鈴木浩介、高畑淳子ほか
作:桑原亮子、嶋田うれ葉、佃良太
音楽:富貴晴美
主題歌:back number 「アイラブユー」
制作統括:熊野律時、管原浩
プロデューサー:上杉忠嗣
演出:田中正、野田雄介、小谷高義、松木健祐ほか
主なロケ予定地:東大阪市、長崎県五島市、新上五島町ほか
写真提供=NHK

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