『スカーレット』常治は視聴者に愛された? “愛すべきダメ親父”像を全うした北村一輝

『スカーレット』常治は視聴者に愛された? “愛すべきダメ親父”像を全うした北村一輝

 12月25日放送の連続テレビ小説『スカーレット』(NHK総合)で川原常治(北村一輝)が永眠した。主人公・喜美子(戸田恵梨香)の父親として話題を振りまいた常治には、放送直後から「ロス」の声があふれている。

 朝ドラのダメ親父は数あれど、ここまでストレートに視聴者の怒りを誘発した人物は珍しい。適切な言い方ではないかもしれないが、「ようやく川原家も平穏に」と思われても仕方がないところ。しかし常治は視聴者から愛されたキャラクターだった。

 昭和22年、常治たち一家は夜逃げ同然で信楽にやってくる。商売人だった常治が大阪・八尾の大地主の娘マツ(富田靖子)と駆け落ちして喜美子が生まれたのは昭和12年。常治は出征中に信作(林遣都)の父親・大野忠信(マギー)を助けたことがある。困った人を放っておけない性分で、草間(佐藤隆太)や若い衆を自宅に居候させるなど様々な縁を川原家に呼び込んだ。

 その反面、酒好きで見栄っ張りな性格から見ず知らずの人にもごちそうし、家計はいつも火の車。第33回、喜美子とマツが借金を数えるシーンで、1円のツケまでこしらえていた場面には絶句した。にもかかわらず商売に関しては山っ気があり、仕事の手を広げようと借金してオート三輪を購入するも足をくじいて休業に。ポンコツすぎる常治だが、冗談ではすまされない場面もたくさんあった。

 常治の数ある蛮行の中でも、小学生の百合子(福田麻由子、子ども時代:住田萌乃)にマツの薬を取りに行かせた件と、家計を助けるために、大阪から喜美子をだまして呼び戻した件はその最たるものである。荒木荘で充実した日々を過ごす喜美子を、マツの病気を口実に信楽に呼びつけると「大阪戻らんでええから」と一言。さらに、絵の学校に通うと主張する喜美子に「誰の金でも関係あるか。何勝手なことしとんねん」と猛反対する。

 大阪に戻ろうとした喜美子は、百合子が学校を休んでマツの薬を取りに病院に行っている理由が、子どもなら支払いを先延ばししてもらえるためだと聞き、家族を支えることを決意。この時点で、常治に対する視聴者の怒りは頂点に達する。昭和という時代背景を差し引いても、あまりに身勝手な言動を繰り返す常治には「毒親」の称号が与えられ、夫のやっていることを知っていながら容認するマツにも非難の矛先が向けられた。

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