正月興行を制した『THE FIRST SLAM DUNK』 韓国でも大ヒットスタート

『SLAM DUNK』正月興行を制する

国内映画興行ランキング

 ちょうど土曜日が大晦日、日曜日が元日と重なった先週末の動員ランキング。「元日から映画館に行く人なんているの?」と思う人もいるかもしれないが、かつては「お正月といえば寅さん」と言われたように、現実に初詣をした足で『男はつらいよ』最新作の上映館に人々が押しかける時代もあった。そんな正月興行を今年制したのは、これで5週連続1位となった『THE FIRST SLAM DUNK』。土日2日間で動員27万6000人、興収3億6200万円。1月3日までの公開32日間累計成績は動員461万7775人、興収67億4870万7670円。ウタが積極的に稼働した年末の音楽番組の影響、及びもう何弾目か数える気もしないが1月1日から新たな来場者特典として配布された原作者・尾田栄一郎の描き下ろしによる「UTA HAPPY お年賀 2023」の後押しもあって、先週末7位に再ランクインした『ONE PIECE FILM RED』に続いて、東映配給アニメーション作品、まさかの100億円超え連発(厳密に言うと、その間に『プリキュア』最新作もあったわけだが)も現実味を帯びてきた。

 2位の『すずめの戸締まり』の週末成績は動員19万9000人、興収2億4500万円、3位の『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の週末成績は動員14万2000人、興収2億4500万円。動員では5万人以上の差がついていながら興収が横並びなのは、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』のラージフォーマット上映での動員力によるもの。ただし、正月が過ぎても順調な動員が続いている『THE FIRST SLAM DUNK』と『すずめの戸締まり』とは違って、『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の興行はようやく累計興収25億円を突破したものの早くも息切れ気味となっている。

 『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』は1月4日までに北米で4億6495万8728ドル、全世界で15億1655万8728ドルを稼ぎ出していて、『トップガン マーヴェリック』を抜いて2022年公開作品ナンバー1となっている。世界歴代興収でもトップ10圏内に突入、ジェームズ・キャメロンが損益分岐点と語っていた興収20億ドルを突破する可能性も高まっていて、海外のメディアでは既に製作が進んでいる3作目についての話題が飛び交うようにもなっている。4作目、5作目の製作に関してはまだ不透明なものの、ひとまずは日本以外のマーケットでは大成功を収めたわけだ。これをもって「もはや日本ではハリウッドのブロックバスター作品は当たらない」とするのは、『トップガン マーヴェリック』の大ヒットが直近の反証となるわけだが、特定のシリーズ作品以外で大ヒットを記録するのは相当困難になってきているとは言えるのではないか。

 一方で、日本のアニメーション作品のグローバルコンテンツ化も進んでいて、韓国で1月4日に公開された『THE FIRST SLAM DUNK』はデイリーランキングで初登場2位。1位の『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の動員数9万1590人に対して、動員数でも6万2061人とかなりの健闘を見せている。韓国では昨年末にも三木孝浩監督の『今夜、世界からこの恋が消えても』が大ヒットを記録するなど、日本映画はアニメーション作品だけではなく実写作品でもコンスタントに結果を出している。グローバルマーケットにおけるハリウッド映画一強時代の終わりは着々と進んでいるのだ。

■公開情報
『THE FIRST SLAM DUNK』
公開中
原作・脚本・監督:井上雄彦
演出:宮原直樹、北田勝彦、大橋聡雄、元田康弘、菅沼芙実彦、鎌谷悠
キャラクターデザイン:井上雄彦、江原康之
CG ディレクター:中沢大樹
作画監督:江原康之
サブキャラクターデザイン:番由紀子
モデルSV:吉國圭、BG
プロップSV:佐藤裕記、R&D
リグSV:西谷浩人
アニメーションSV:松井一樹
エフェクトSV:松浦太郎
ショットSV:木全俊明
美術監督:小倉一男
美術設定:須江信人
色彩設計:古性史織
撮影監督:中村俊介
編集:瀧田隆一
音響演出:笠松広司
録音:名倉靖
キャスティングプロデューサー:杉山好美
音楽プロデューサー:小池隆太
2Dプロデューサー:毛利健太郎
CGプロデューサー:小倉裕太
アニメーションプロデューサー:西川和宏
プロデューサー:松井俊之
声:仲村宗悟、笠間淳、神尾晋一郎、木村昴、三宅健太
オープニング主題歌:The Birthday(UNIVERSAL SIGMA)
エンディング主題歌:10-FEET(EMI Records)
音楽:武部聡志、TAKUMA(10-FEET)
アニメーション制作:東映アニメーション、ダンデライオンアニメーションスタジオ
配給:東映
©I.T.PLANNING,INC. ©2022 THE FIRST SLAM DUNK Film Partners
公式サイト:https://slamdunk-movie.jp/
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