宇野維正の興行ランキング一刀両断!
「現象化」にはならず 『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の興行が突きつける問題
世界的には今年最大の話題作にして、映画史上最も製作費がかかったジェームズ・キャメロン監督13年ぶりの長編監督作品『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』が世界同時公開された先週末。国内興行において動員ランキングのトップに立ったのは、『THE FIRST SLAM DUNK』だった。同作はこれで初登場1位から3週連続で1位を独占。土日2日間の動員は36万5000人、興収は5億4700万円。12月18日までの16日間で動員281万254人、興収41億8880万7130円を記録している。興収50億円超えは確実。年末年始の正月興行で一体どこまで伸ばすのか?
2位も前週と変わらず『すずめの戸締まり』。こちらは土日2日間で動員31万6000人、興収4億1400万円を記録。12月18日までの38日間で動員693万9477人、興収93億4396万4470円を記録。こちらは今週末にも興収100億円突破を確実にしている。
そして、国内歴代最多の1466スクリーンで公開された『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』は初登場3位となった。土日2日間の動員は25万9000人、興収は4億7700万円。オープニング3日間の動員は35万4263人、興収は6億4637万5020円。先週の本コラムでも触れたように、ライバル作品の多さから週末動員ランキングで1位を逃すことはあったとしても、IMAXやドルビーシネマなどの3Dでのプレミアムフォーマットでの上映の比率の高さからさすがに興収では1位の座は揺らがないと思っていたのだが、興収でも『THE FIRST SLAM DUNK』の後塵を拝することとなった。しかも、数字を見ると、それは『THE FIRST SLAM DUNK』の数字が高すぎたからというわけではなく、単純に『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』が数ある冬休み有力作品のワン・オブ・ゼムとなってしまったことがわかる。
独走許すまじ? 国内作品による『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』包囲網
先週末の動員ランキングは、『THE FIRST SLAM DUNK』が2週連続1位に。土日2日間の動員は54万4000人、…
週明け以降、各メディア及びソーシャルメディアでは「日本以外すべての国で1位」といった文言が躍り、今回の『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』の日本での興行について多くの人たちの意見が交わされている。そんな中で、このタイミングで先ず言っておくべきことがあるとしたら、既にウィークデイに入ってから全国的に減少の傾向がみられるIMAXやドルビーシネマなどの3Dでのプレミアムフォーマットでの同作の上映回数を、年末年始にかけてできるだけ維持しておいてほしいということだ。