“安楽死”を巡る父娘の葛藤描くフランソワ・オゾン新作公開へ 主演はソフィー・マルソー

フランソワ・オゾンの新作映画2023年公開

 ソフィー・マルソーを主演に迎えたフランソワ・オゾン監督作『Tout s'est bien passé(原題)』が、『すべてうまくいきますように』の邦題で2023年2月3日より全国公開されることが決定した。

 芸術や美食を楽しみ、ユーモアと好奇心にあふれ、何より生きることを愛していた85歳の父・アンドレが突然、安楽死を願う。脳卒中で倒れたことによって、身体の自由がきかなくなったという現実が受け入れられず、人生を終わらせるのを手伝ってほしいと娘のエマニュエルに頼んだのだ。小説家のエマニュエルは妹のパスカルと、父の気が変わることを望みながらも、スイスの合法的に安楽死を支援する協会とコンタクトをとる。一方で、リハビリが功を奏し日に日に回復する父は、孫の演奏会やお気に入りのレストランへ出かけ、生きる喜びを取り戻したかのように見えた。だが、父はまるで楽しい旅行の日を決めるかのように、娘たちにその日を告げる。娘たちは戸惑い葛藤しながらも、父と真正面から向き合おうとする。

 『スイミング・プール』の脚本を担当したエマニュエル・ベルンエイムの自伝的小説を基に、安楽死を望む父親に振り回される娘の葛藤を描いた本作。監督を務めたのは、『まぼろし』や『8人の女たち』、『Summer of 85』などのオゾン。すべての人にいつか必ず訪れる“死”をテーマに、家族の愛とは何か、人生とは何かを軽やかに問いかける。

 主演を務めたのは、『ラ・ブーム』(1980年)のマルソー。本音しか言わない父の言動に時には傷つきながらも、父を人として敬愛する娘・エマニュエル役を演じる。

 父のアンドレを演じるのは、フランソワ・トリュフォー監督作『私のように美しい娘』(1972年)やエリック・ロメール監督作『美しき結婚』で知られるアンドレ・デュソリエ。母のクロードは、『さざなみ』でアカデミー賞にノミネートされ、オゾン監督とは、『まぼろし』『スイミング・プール』『17歳』でタッグを組んだシャーロット・ランプリングが演じる。

 さらに、父と姉の絆に複雑な想いを抱き嫉妬することもあるが、こうと決めたら真っ直ぐな姉を慕う健気な妹のパスカルを演じるのは、『17歳』でセザール賞にノミネートされたジェラルディーヌ・ペラス。安楽死を支援する協会から派遣されてくる怪しげなスイス人女性は、ライナー・ヴェルナー・ファスビンダー監督作『ペトラ・フォン・カントの苦い涙』や『マリア・ブラウンの結婚』のドイツ人俳優、ハンナ・シグラが演じる。

■公開情報
『すべてうまくいきますように』
2023年2月3日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館、Bunkamura ル・シネマほかにて全国公開
監督・脚本:フランソワ・オゾン
出演:ソフィー・マルソー、アンドレ・デュソリエ、ジェラルディーヌ・ペラス、シャーロット・ランプリング、ハンナ・シグラ、エリック・カラヴァカ、グレゴリー・ガドゥボワ
提供:木下グループ
配給:キノフィルムズ
2021/フランス・ベルギー/フランス語・ドイツ語・英語/113分/カラー/アメリカンビスタ/5.1ch/原題:Tout s'est bien passé/字幕翻訳:松浦美奈/映倫区分:G
©2020 MANDARIN PRODUCTION – FOZ – France 2 CINEMA – PLAYTIME PRODUCTION – SCOPE PICTUR
公式サイト:ewf-movie.jp

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