あなたは犬派? それとも猫派? アニメで採用される動物を考える
「犬と猫、どちらが好き?」という定番の話題。この問いについてpepy株式会社(※1)や熊本日日新聞(※2)が調べたところ、一般的には犬が優勢なものの好感度に大きな差はないようだ。しかしラインナップが出揃いつつある10月からの秋アニメではこの傾向に反して、猫および猫にまつわるキャラクターが圧倒的な存在感を放っている。
特に目立つのが、ファンタジー作品における猫耳少女。あまりの徳の高さでアニメファンを喜ばせる『不徳のギルド』のヒロインのひとり・ひたむきこそ犬耳だが、『勇者パーティーを追放されたビーストテイマー、最強種の猫耳少女と出会う』ではタイトルの通り最強種である猫霊族の少女がメインヒロインで、『転生したら剣でした』ではダブル主人公の一角が黒猫族の少女だ。
また現実世界が舞台の作品に登場する猫キャラクターも多種多彩。中国発の超ヒット映画『羅小黒戦記 ぼくが選ぶ未来』(のTV放送版)は黒猫の妖精が主人公で、8月から放送/配信されている『夜は猫といっしょ』の飼い猫はマンチカン。まさかの再アニメ化で話題の『令和のデ・ジ・キャラット』の主人公であるデ・ジ・キャラットは白猫の帽子を被り、『恋愛フロップス』のアメリカからの留学生は猫耳付きのヘッドホンを着けている。
一方で、犬および犬系のキャラクターに目を向けると、メイン級では先述のひたむきに加えて『世界の終わりに柴犬と』の柴犬のハルと『SPY×FAMILY』の未来予知できる犬・ボンドくらい。ほかには『ハーレムきゃんぷっ!』のちく……ではなくポピーや『恋愛フロップス』のやたらに腰を振っている犬も登場する(狼やフェンリルは除く)。
このように犬は単純な数で猫に劣り、存在感も薄いと言わざるをえない。個人的な感覚ではあるが、犬は落語アニメ『うちの師匠はしっぽがない』やタヌキ顔ヒロインの『機動戦士ガンダム 水星の魔女』のタヌキ、『シルバニアファミリー フレアのハッピーダイアリー』『令和のデ・ジ・キャラット』『僕のヒーローアカデミア』第6期で系統キャラクターが活躍中のウサギと同レベルだろう。
なおこうした傾向は2022年秋アニメに限らず、歴代のアニメでも同じ様子。大雑把な比較となるが、アニメデータベース・アニメ大全(※3)で「犬」「猫」の作品検索をすると前者は125件(内、シリーズ作『おじゃる丸』が18件)、後者は166件と明らかに猫に関したものが多い。