アニメOP&EDが多い夏クールに考える、“歌詞テロップが出る/出ない”アニメの差

アニメOP&EDから考える“歌詞テロップ”

 2022年夏クールのアニメもようやく出揃い……とはならず、今期はまだ始まっていないアニメがありますが、ある程度出揃ったことは事実。お気に入りの作品を見つけて、楽しんでいる人も多いでしょう。

 一方で今期アニメを観ていて気になったことのひとつとして、歌詞が格好よく表示されるオープニングやエンディングが目立つことがあります。代表的なものは『よふかしのうた』のオープニング、『ブッチギレ!』エンディング(これは前半のみ)でしょう。

TVアニメ『よふかしのうた』ノンクレジットOP 【Creepy Nuts「堕天」】| 毎週木曜日24時55分からフジテレビ"ノイタミナ"ほかにて放送中!
オリジナルTVアニメ「ブッチギレ!」ノンクレジットED| 自象存在name-less「断罪デモクラシー」

 いずれも画面内のオブジェクトや光を印象的に使っており、毎回観る度に感嘆のため息をついてしまうほどのかっこよさです。また『ようこそ実力至上主義の教室へ 2nd Season』オープニングや『ハナビちゃんは遅れがち』オープニング&エンディングのように、スタイリッシュに歌詞を表示するパターンもあります。

「パラレルラルラ」有明ハナビ花(CV:和氣あず未)・高輪バーサス戦(CV:上坂すみれ)・日本橋サンダー雷(CV:M・A・O)ver./ TVアニメ『ハナビちゃんは遅れがち』エンディング主題歌

 これまでもこうした演出のオープニングやエンディングがなかったわけではありません。しかしここまで数が多いクールはあまりなかったのではないでしょうか。

 少し話は変わりますが、後者ふたつのような歌詞テロップの表示方法はボーカロイドや動画配信サイト出身アーティストのPVの影響を強く感じられます。特に『ハナビちゃんは遅れがち』は複数のボカロPとのコラボによって主題歌が作られているため、その影響下にあるのも納得でしょう。

 こうした歌詞を印象的に表示する手法は、絵素材が少ない状況でも視聴者を楽しませるため確立していったのだと推測しますが、手法成立の過程はさておき何しろかっこいい! 『よふかしのうた』や『ブッチギレ!』ほど凝ったものを作るのは難しいでしょうが、後者のような歌詞テロップの表示が比較的簡単にできるのであれば、今後より多くのアニメで観られるようになるかもしれません。

どんなアニメで歌詞が表示される?

 前置きが長くなりましたが、閑話休題。みなさんはアニメを観ていて、オープニングやエンディングで歌詞が表示される場合とされない場合があるのに気付いているでしょうか? 筆者もかねてからその差が気になっていたのですが、以下のような調査をしてその差が判明しました。

調査概要

・対象作品はこの夏に地上波で流れている63作品(夏アニメは8月3日放送開始の『夜は猫といっしょ』まで)
・歌詞が表示されないインスト曲のみのアニメはカウントしない(『ミラキュラス レディバグ&シャノワール』『iiiあいすくりん2』)

 なお挿入歌までカウントすると、なぜか夕方に放送されている『お昼のショッカーさん』第28話「うた」や毎回異なる挿入歌がふたつも流れる力作『KJファイル』、ワールドアンセム「We Are The World」まで流してしまった『5億年ボタン~菅原そうたのショートショート~』といった特殊な事例も考慮する必要があるため、今回は一旦置いておきます(いずれも歌詞テロップあり)。

【公式】KJファイル 第1話「ファンバーン・ゲソラマリ」

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アニメシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる