『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』第6話で描かれた10年の経過 レイニラが獲得した強さ

『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』10年の経過

 その頃、デイモン・ターガリエン(マット・スミス)はペントスの地で賓客として遇されていた。ヴェラリオン家のレーナと結婚して2児を授かり家庭を築いたものの、王土からは実質上、追放された身であり、愛するレイニラも奪われ、ペントスの貴族が当てにしているのは兵器としてのドラゴンのみだ。ヴァリリアの血族たる栄光を見失った彼は心を閉ざし、かつての尊大さも鳴りを潜めつつあった。第3子の出産を間近に控えた妻レーナ(ナンナ・ブロンデル)はペントスでの隠遁生活を嫌い、死ぬなら騎竜者として人生を終えたいと言う女傑だ。しかしデイモンの心が自分にないことも肌身で感じており、それには折り合いをつけたと言う。10年の時を経て、全ての者が人生の辛酸を嘗め尽くした。やがてレーナは難産の末、母子共に生命の危険に陥る。この誇り高い騎竜者は自身もお腹の子も助からないことを悟ると、愛竜ヴァーガーの前に身を晒し、ドラカリスを唱える。巨竜はその気高い意志を汲み取り、紅蓮の炎で主を苦しみから解放する。その光景にデイモンはただ打ちのめされるだけだった。

 「賢い船乗りは嵐が来る前に針路を変える」。これはレーナー・ヴェラリオンが苦し紛れに放った言葉だが、レイニラによって反復される。醜聞に晒され、愛するサー・ハーウィンも宮中を去り、幼い我が子が自らを落とし子と問う今、このまま謀略に呑まれてなるものかとレイニラは一家を連れてターガリエン家の居城、ドラゴンストーンへと向かうのだ。少女時代の勝ち気さと聡明さはそのままに、彼女は子を持つ者としての強さを獲得していたのである。そして騎竜者としての誇りを揺さぶられたデイモンはいかに動くのか。宮廷内では王の手の謀殺が行われ、物語は新たな局面を迎える。

※記事初出時、一部の写真に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。

■配信情報
『ハウス・オブ・ザ・ドラゴン』
U-NEXTにて配信中
出演:パディ・コンシダイン、マット・スミス、オリヴィア・クック、エマ・ダーシー、スティーヴ・トゥーサント、イヴ・ベスト、ファビアン・フランケル、ソノヤ・ミズノ、リス・エヴァンス、ミリー・オールコック、ベサニー・アントニア、フィービー・キャンベル、エミリー・キャリー、ハリー・コレット、ライアン・コア、トム・グリン=カーニー、ジェファーソン・ホール、デヴィッド・ホロヴィッチ、ウィル・ジョンソン、ジョン・マクミラン、グレアム・マクタヴィッシュ、ユアン・ミッチェル、テオ・ネイト、マシュー・ニーダム、ビル・パターソン、フィア・サバン、ギャビン・スポークス、サバンナ・ステイン
日本語吹替版キャスト:早見沙織(レイニラ・ターガリエン役)、津田健次郎(デイモン・ターガリエン役)、堀内賢雄(ヴィセーリス・ターガリエン役)、大塚芳忠(オットー・ハイタワー役)、坂本真綾(アリセント・ハイタワー役)、大塚明夫(コアリーズ・ヴェラリオン役)、田中敦子(レイニス・ヴェラリオン役)、諏訪部順一(クリストン・コール役)
共同企画・製作総指揮:ジョージ・R・R・マーティン
共同企画・共同ショーランナー・製作総指揮・脚本:ライアン・コンダル
共同ショーランナー・製作総指揮・監督:ミゲル・サポチニク
製作総指揮・脚本:サラ・ヘス
製作総指揮:ジョスリン・ディアス、ヴィンス・ジェラルディス、ロン・シュミット
監督:クレア・キルナー、ジータ・V・パテル
監督・共同製作総指揮:グレッグ・ヤイタネス
原作:ジョージ・R・R・マーティン『炎と血』
原題:House of the Dragon
翻訳:川又勝利、佐々井朝衣
©2022 Home Box Office, Inc. All rights reserved. HBO® and all related programs are the property of Home Box Office, Inc.
公式サイト:https://www.video.unext.jp/title_k/house_of_the_dragon

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