鈴鹿央士、ハイスペックでも妬まれない“子犬感” 『六本木クラス』龍二の素直さが胸を打つ

鈴鹿央士、ハイスペックでも妬まれない子犬感

 『六本木クラス』(テレビ朝日系)第7話でキーパーソンの1人となったのが、巨大企業「長屋ホールディングス」会長の次男でありながら、愛人の子であるために冷遇されてきた青年・長屋龍二(鈴鹿央士)だ。長屋ホールディングスと敵対する居酒屋「二代目みやべ」店長・新(竹内涼真)の元で働いており、さらに新に好意を寄せる同級生でマネージャーの葵(平手友梨奈)にずっと片想い中というなんとも混線した恋模様を見せている。

 頭脳明晰で冷静沈着、そしてエキセントリックな一面があり、誰のことも特別視せず媚びない……。そんな“一匹狼”な葵に龍二は惹かれたのに、その葵が自身の目の前で新に衝撃を受け、揺るがされ、心酔していく様子を見せつけられてしまう。そんな2人の掛け合いを、少し離れたところから眩しそうに眼差す龍二が切ない。

 葵が自分ではない誰かに惹かれていく様子を見ながら、それでも葵が幸せそうであればどうしたって嬉しくもなってしまう。そんな龍二の打算のない素直さがまた胸を打つのだ。“報われない恋”が現時点では確定しているように思える龍二に対して、新への好意を隠そうとしない葵。ただただ一方的に想い続ける龍二の恋がじめっとしたものにも重いものにもならないのは、一歩引いて俯瞰で見られる龍二の落ち着きや受容力あってのことだろう。

 『ドラゴン桜』(TBS系)ではむしろ鈴鹿が学年トップの成績を誇る“一匹狼”を演じていた。最初は周囲を見下す嫌な奴だったが、平手演じる楓たち東大専科のクラスメイトとの触れ合いで自分の弱さに向き合える本当の強さを手にし、最も大きく成長する役どころを務めた。

 鈴鹿が新人賞を総なめにした映画『蜜蜂と遠雷』でも、16歳の天才ピアニスト役を演じ、振り返れば才能や家柄に恵まれた“持てる者”を演じることが多い。彼の屈託のない笑顔や自身のことに無頓着にも思える飄々とした佇まいは、どこにでもスッと溶け込んで、妬み嫉みを寄せ付けない。周囲と分け隔てなく接するものの、決して汚せない“不可侵領域”のようなものを自然に携えている。

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