『競争の番人』杏などから探る 働き方の多様性と生き方を認める“女性働きドラマ”の役割
働き方改革でビジネスパーソンの“心”や“気持ち”を大切にする企業が増加している中で、男女関わらず「仕事=対価をもらうため」だけでなく、仕事を生きがいにする人たちも多くいる。そんな視聴者に共感してもらうためには、これまであった男性の働きドラマにプラスして、やりがいを持って仕事に取り組む女性の働きドラマも必要となってくる。視聴者の中には、物語自体を楽しむ人もいれば、自分の中にある想いを登場人物に重ねる人だっているだろう。今後は、男性はもちろん、女性の働き手が仕事と向き合う姿を見て「また明日も頑張ろう!」と背中を押してくれるような作品が好まれるのかもしれない。
エンターテインメントには「観る人の人生を豊かにする」「夢や希望を与える」といった役割が存在するように思う。コロナ禍の中、エンタメの意義について問われたことがあったが、人生に暗い影を落とす出来事に対して、映画、ドラマ、お笑い、アニメ、ゲームなどに触れ、多くの人が救われた。同じく、女性の働きドラマが多様化されることで、救われる人も増えていくはずだし、マインド面にスポットを当てる作品自体も需要があるはずなのだ。
もちろん女性の人生においては「働くこと」がすべてではないし偉いわけではない。世の中には、出産直後で休職中の人、結婚を機に退職した人、家事や育児に追われる専業主婦、仕事を探している人など様々存在する。その生き方はどれもが正解で、どれもが尊重されるべき生き方である。今期のドラマで描かれている女性刑事だって、女性CEOだって、パラリーガルだって、“人生”という名の手札の1枚にすぎない。今後も増えるであろう多様性ある女性の働きドラマは、そんなすべての女性の“生き方を認める役回り”をも担っているのだ。
■放送情報
『競争の番人』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:坂口健太郎、杏、小池栄子、大倉孝二、加藤清史郎、寺島しのぶ、新津ちせほか
原作:新川帆立『競争の番人』(講談社)
脚本:丑尾健太郎、神田優、穴吹一朗、蓼内健太
演出:相沢秀幸、森脇智延
プロデュース:野田悠介
制作・著作:フジテレビ
(c)フジテレビ
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