『ちむどんどん』『家庭教師のトラコ』で安定感 鈴木保奈美、国民的恋人から令和の母親へ

鈴木保奈美、国民的恋人から令和の母親へ

 紆余曲折あった『ちむどんどん』(NHK総合)は、ついに比嘉暢子(黒島結菜)と青柳和彦(宮沢氷魚)が想いを確かめ合って結婚の約束をした。しかし、幸せに向かって走り出そうとする中で、2人に大きな壁が立ち塞がる。鈴木保奈美演じる、和彦の母・重子の存在だ。緊張の初対面で彼女は「結婚は許しません!」と言い放ち、暢子の身辺調査までして反対した。

 このインパクトある和彦ママの登場にSNSでも多くの人が反応。すでに話題となっているが、じつは鈴木は、現在放送中のドラマ『家庭教師のトラコ』(日本テレビ系)でも同じ母親役を演じている。元ホステスの上原里美(鈴木保奈美)は、夫で銀行の重役・利明(矢島健一)の愛人だった。後妻として息子の守(細田佳央太)と共に上原家にやってきたが、前妻の子どもたちに冷たくあしらわれており、見返すためにも守を東大に合格させようと躍起になっている。こちらもキャラが濃い“強烈ママ”だ。

『家庭教師のトラコ』(c)日本テレビ

 この2作品からも分かるように、近年、母親役を演じることが増えた鈴木だが、彼女を見ていると、サバサバした明るい性格で、多くの名台詞を残した『東京ラブストーリー』(1991年/フジテレビ系)の赤名リカ役や、ボート部の元マネージャーで高校教師だった『愛という名のもとに』(1992年/フジテレビ系)の藤木貴子役など、トレンディドラマ全盛期を思い出す人もいるだろう。当時、彼女に恋をしていたという人は少なくないはずだ。

 その後、結婚を機に芸能界引退を発表。2011年の大河ドラマ『江〜姫たちの戦国〜』(NHK総合)で復帰すると、40代に突入したこともあって、ビジネスパーソンや母親など、凛とした大人の女性を演じるようになっていく。

 『家庭教師のトラコ』同様、家庭教師に振り回される母親を演じたのが『家族ゲーム』(2013年/フジテレビ系)だ。鈴木にとって15年ぶりの連続ドラマ出演となった本作は、沼田佳代子(鈴木保奈美)が、成績の悪い息子のため、吉本荒野(櫻井翔)に家庭教師を依頼したところから物語は始まる。ミステリアスで常軌を逸した行動に出る吉本は「いいねぇ〜」が口ぐせ。どんどんと家族の闇に介入し、家庭が崩壊。佳代子自身も株にのめり込み、借金を作って壊れていくなど、センセーショナルな内容だった。

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