『よう実』第2期は頭脳戦がさらに盛り上がる 千葉翔也の“無気力ボイス”の変化にも注目

主人公・綾小路の徹底した「無気力ボイス」

 主人公の綾小路は自分の本当の実力を隠すため、基本的に表立って行動することはない。徹底して目立たない生徒を演じる綾小路の特徴といえば、覇気のない無気力な声だ。喜怒哀楽の豊かなキャラクターたちの中で、綾小路の抑揚のない声はかなり印象に残る。

 ラノベ原作のアニメによくあるハーレムな展開や恋愛要素の絡んだキャラとの掛け合いでも、綾小路は声色を崩さない。ラノベ原作のアニメに登場する主人公らしからぬキャラクター性に、思わずくすりと笑ってしまう場面もあるだろう。

 しかし、綾小路は相手の気持ちを慮るコミュニケーション能力は持っているようで、クラスメイトの異変や表情の陰りにいち早く気がつき行動する。無気力ながらも、ストーリーが進むにつれて、綾小路は確かに主人公としての風格を見せ始めるのだ。綾小路のこうした微細な声の使い分けは、アニメ化による声優の表現力のなせる技である。

 第1期に引き続き、アニメ版『よう実』の綾小路の声を担当するのは声優の千葉翔也。

 千葉といえば、人気アニメ『パリピ孔明』でKABE太人(かべたいじん)を演じたことでも話題となった。KABEの音楽への熱い想いを込めたラップバトルは、非常に心を惹きつけられたことを鮮明に覚えている。無敵のフリースタイラーを演じた千葉の表現力が生み出した「本気の無気力ボイス」が、ミステリアスな綾小路の特徴を際立たせている。

 綾小路の見せ場が続くであろう今作、彼の成長を千葉のどんな声色が彩っていくのかにも注目していきたい。

 新たなゲームが始まり、物語が大きく動く『よう実』第2期。第1期では謎に包まれたままだったキャラたちの背景も徐々に明らかになり、新たな盛り上がりを見せている。視覚、そして聴覚からのアプローチも加わったアニメ版で、綾小路と個性豊かな仲間たちの行く末を追っていこう。

■放送情報
『ようこそ実力至上主義の教室へ 2nd Season』
AT-X:毎週月曜21:00~放送
TOKYO MX:毎週月曜22:30~放送
原作:衣笠彰梧(MF文庫J『ようこそ実力至上主義の教室へ』/KADOKAWA刊)
キャラクター原案:トモセシュンサク
出演:千葉翔也、水中雅章、鬼頭明里、竹達彩奈、久保ユリカ、逢坂良太、M・A・O、日高里菜、日野聡、東山奈央、小松未可子、梅原裕一郎、小原好美、佐藤利奈
総監督:岸誠二、橋本裕之
監督:仁昌寺義人
シリーズ構成:風埜隼人
キャラクターデザイン:森田和明
美術設定:長池未来、平柳悟
美術監督:羽根広舟
色彩設計:加口大朗
CG監督:平山知広
撮影監督:芹澤直樹
編集:及川雪江
音楽:横山:克、橋口佳奈
音響監督:飯田里樹
音響効果:奥田維城
アニメーション制作:Lerche
製作:ようこそ実力至上主義の教室へ2製作委員会
(c)衣笠彰梧・KADOKAWA刊/ようこそ実力至上主義の教室へ2製作委員会

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