『よう実』第2期は頭脳戦がさらに盛り上がる 千葉翔也の“無気力ボイス”の変化にも注目

 7月よりTVアニメ『ようこそ実力至上主義の教室へ 2nd Season』の放送が始まった。同作はMF文庫J(KADOKAWA)で刊行中のライトノベルが原作であり、シリーズ累計発行部数650万部を突破した実績からもその人気がうかがえる。

『ようこそ実力至上主義の教室へ 2ndSeason』
『ようこそ実力至上主義の教室へ』公式サイトより

 ファンからは「よう実」の愛称で親しまれている、注目の夏アニメだ。

 近年ライトノベルを原作としたアニメのヒットが続いているが、『よう実』も例に漏れずその成功例の1つだろう。今回は第1期から盛り上がりを見せているアニメ版『よう実』のヒットの理由を紐解いていこう。

難解な特別試験のルールを映像がわかりやすくカバー

 『よう実』の面白さはなんと言っても、互いに裏切り、裏切られる先の読めないスリリングなストーリー展開にある。タイトルからも分かる通り学園モノではあるが、その世界観はなかなかに独創的だ。

 主人公が通う全寮制の東京都高度育成高等学校はカラオケやカフェ、ブティックまでが揃い、生活は全てキャンパス内で済ませられるようになっている。

 希望する就職・進学先に100%応えることが約束され、毎月10万円分のポイントが使用可能。夢のような学園生活が送れるかと思いきや、実は好待遇を受けられるのは優秀な生徒だけという「実力至上主義」な教育システムに、生徒たちは頭脳戦を強いられる。

 主人公が所属する底辺のDクラスは、なんとしてでも他のクラスよりも多くのポイントを集めなければならない。イベントや試験でのデスゲームのような生徒同士の頭脳を使った騙し合いこそが、『よう実』の軸となる面白さなのだ。

 しかし、このゲームの場面がかなり緻密に描かれているからこそ、クラス同士の思惑や複雑なルールが絡み、人によっては理解が難しいと感じてしまうこともあるだろう。

 その点をうまくカバーしたのがアニメ版『よう実』である。やはり、視覚的に映像でルールの解説をしてもらえるのはイメージが湧きやすく、その後の物語の展開を理解しやすい。

 またアニメだからこそ1話ずつのテンポ感も『よう実』の頭脳戦と相性が良い。デスゲーム系の作品によくある手法だが、続きが気になる余韻を残して次話に繋げていくので、ついシリーズを通して先を観たくなってしまう。筆者自身、アニメ第1期の終わりで「ここで終わり……?」という感想を抱いて、第2期を心待ちにしていた。

 こうしたアニメ化と作品のストーリーの相性の良さは、アニメ版『よう実』のヒットの理由の1つだろう。

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