快進撃を続ける間宮祥太朗 『魔法のリノベ』『破戒』でさらなる覚醒を期待
間宮祥太朗はハンサムだ。イケメンというよりハンサムだ。黒柳徹子さんに「顔の圧が強い」と言われ、本人もそれを自虐ネタのようにしているが、顔全体からくる印象は涼しげだ。野球もできる。
時々バラエティー番組に登場した時は、笑いに対する反射神経がよく許容量も広いと感じる。映画とドラマで様々な役を演じているが、今は(春ドラマで)つい先日大好評のまま最終回を迎えた、『ナンバMG5』(フジテレビ系)の難破剛役のイメージのまま、ヤンチャで熱い男の印象が強いかもしれない。つまり弱点や欠点らしい欠点が見当たらないのだ。
ドラマや映画に出演し始めた初期には、同世代の男子が多く登場する群像劇に出演することが多く、学生のイメージが強かった。また、2017年の『僕たちがやりました』(カンテレ・フジテレビ系)で演じた伊佐美翔、2018年の『BG~身辺警護人~』(テレビ朝日系)の沢口正太郎など、ノリの軽いキャラクターを多く演じているイメージも強い。
2019年のドラマ『べしゃり暮らし』(テレビ朝日系)では漫才コンビのボケ担当、上妻圭右を演じ(この男もノリは軽い)、本人には苦労があるのだろうが、ノンストップで喋り続ける、難しいであろう漫才シーンも難なくこなしていた。
だが当然、ノリの軽い男だけ、というわけではない。ドラマでは、1話だけのゲストとして、連続ドラマのチームの一員として、主演作も含め実に50本以上もの作品に出演し、多彩な役柄を演じてきた。
2018年の『半分、青い。』(NHK総合)では、主人公・鈴愛(永野芽郁)の夫となるダメンズ、森山涼次を演じ、全国的な知名度を上げた。映画では、2016年の『高台家の人々』で演じたちょっとひねくれている次男坊・高台和正や、2017年の『帝一の國』での、金髪ロン毛の氷室ローランド役で強い印象を残している。そして初主演映画となった『全員死刑』では、衝撃の殺人一家の次男、タカノリを演じた。『帝一の國』の、各俳優の女性ファンが狂喜乱舞した“フンドシ太鼓”のシーンで、センターで堂々と和太鼓を叩く姿は忘れられない。
また2020年のドラマ、『僕はどこから』(テレビ東京系)で演じたエリートヤクザ・藤原智美役には驚かされた。22歳で組長となったエリートヤクザ、という役柄なのだが、ドラマが進むに従って、間宮祥太朗に父性のようなものをチラッと感じたからだ。気の弱い主人公の竹内薫(中島裕翔)と妹の藤原千佳(上白石萌歌)を守らなければいけない立場の役だから、当然といえば当然なのかもしれないが、間宮祥太朗からそういう匂いを感じたことが新鮮で、この人はもっと色々な役ができるのではと感じた。