『ファイトソング』間宮祥太朗の“ムササビ”がハイライトに 生まれた名言の数々
中華街デートの末、夕日が見える場所でのキスというお決まりのコースであったものの、寸前のところで動揺して芦田(間宮祥太朗)に正拳突きを食らわせてしまう花枝(清原果耶)。2月1日に放送された『ファイトソング』(TBS系)第4話は、2人の“恋の取り組み”における最初の試練のようなものが描かれる。もっとも、ごく一般的なラブストーリーの流れにおいては会えない時間と距離が生じることで終わりの予感が漂うのに対し、このドラマでは“期間限定”という前提が崩れてしまうということをもって、終わりの予感が先立つことになる。そのため、花枝が“待つ”という描写だけでひとつのエピソードが成り立つわけだ。
芦田からのハウスクリーニングの依頼を受けマンションを訪れた花枝は、そこで弓子(栗山千明)と対面を果たす。弓子から芦田に告げられたのは、当初の2カ月後の予定よりも早く、1週間後にある男性アイドルの新曲コンペに曲を出し、そこで通らなければ契約を解除するというものだった。急に期日が早まったことによって“恋の取り組み”も終わりを迎えてしまうのではないかと考える花枝に対し、芦田は曲作りに没頭。連絡を待ちながら元気をなくしている花枝を見て、慎吾(菊池風磨)はどう励まそうかと奮闘するのである。
何にせよ今回のハイライトは、ムササビのぬいぐるみを見つけた花枝が、自分の周りで芦田は“ムササビ”と呼ばれていることを教えた際に芦田が見せる突発的な跳躍であろう。あえてその動きがスローモーションで映されることによって、その後の芦田の部屋のシーンで弓子から期日が早まったことを告げられた瞬間に焼き上がったトーストとかすかな縦の動きという点で連動する。しかも芦田の跳躍ではその少し後に「恋はきっと矛盾だらけなんじゃないかな」という名言が生まれ、トーストの跳躍の後には「現実を知ることも大事」という名言が生まれることもリンクするのだ。
中盤で偶然にも大学の空手部のメンバーと遭遇した花枝は、さらにふらりと外に出た芦田にも遭遇。久しぶりに空手に取り組む花枝の姿を見学することになった芦田。見せたことのないエネルギーを放ち、倒されても楽しそうにしている花枝の姿を見てひらめき、ダッシュで帰宅してアクリルボードにいくつもの言葉を書き並べていくのである。“良い曲を書く”という目的をもって始めた恋の取り組みではあるが、実際のところ花枝との恋愛が芦田の心を動かす=ミューズとして機能するのは、空手モードで輝いている時ということだろうか。だとすれば、まだ花枝の設定のひとつとしてしか活きていない空手という要素に何らかの意味が与えられることになるだろう。